「見つからない」


ボソッと声に出す。横にいる時葉零にはそれが聞こえたみたいだ


「何が見つからないの?」


「関係ないよ、お前には」


気配が近づいてきてるぞ。
木の近くに隠れている俺は隣の時葉零に告げる。
「これはやっかいね。」
そんなことを言う時葉零に内心
「お前のせいだろう」と思いつつ相手に
見つからぬよう気配を殺す


だいたいなぜこんなことになったのか。


さっきまで、俺らはお使い中だった。学園長先生からのご命令で。
内容は


「とある城の城下町で変な噂が流れておるらしい。
真偽はいいからどんな内容かを聞いてきなさい」


とのこと。ただ聞くだけの一年には簡単なお使い。
ただ町の人に無邪気に「何かあったの?」と聞けばわかるような話だ。
ちょうど町にいこうとしていてたまたま指名されただけ。


噂の内容は
「城に変な人(危ない系の科学者)が訪れ、町でたまに
何か(多分やばい薬)を売っているらしい」


かっこの中は推測でしかないがお使いも済んだことだし
帰ろうかな。と思っていたら横から声が聞こえてしまったのだ


「面白そう、何なんだろう」


時葉零がこんなことを言っていた。
ただここで一人で置いていくと怒られかもしれないと思い
自分もついていくことになった。
時葉零が優秀なことは知っている。
しかし、城に忍びこむのは今の状況では。と考える。
時葉零の得意はしらないが、俺の得意な銃はもってきて
いない。クナイと手裏剣がいくらか、というぐらいだ。


案の定無理だった。
城に忍びこんでみたのはよかった。
予想通り薬だった。匂いからして麻薬系だ。
が、見つかってしまったのだ。屋敷に使える忍びに。
優秀でもし互角の技術があったとしても
たかが十の子供二人と大人大勢。
負けるに決まっている。
それでも何とか城を抜け出し冒頭に戻る。


傷だらけだ。こんなことじゃあ──に怒られるな。
近づいた気配は幸か不幸か消えていった。
学園はここから少し遠いが出血死はないだろう。
森をひたすら時葉零と駆ける。









──にあいたい。


サイトTOPへ dreamTOPへ
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -