「今・・・よろしいでしょうか」


「はいってきなさい」


夜の庵は不思議な雰囲気を醸し出している。
静まり返る周りに違和感を覚えつつ入る。


「時葉零のことじゃろう?一年もの間
聞きに来なかったから何を考えておるのやら・・・。
と思っておったよ」


「確信がもてなかったもので。
まぁ、今日わかってしまったのですが」


「慣れてる人間の前だと饒舌だのう。
よし、なんでも聞きなさい。時葉には儂から言っておこう」


「では、まず。時葉零は貴方に拾われた・・・と言っていましたが
嘘・・・でしょう?」


「あぁ、その通りじゃよ。時葉は偽名で本当は雪葉という
有名な忍びの一族でな。
プロ忍を越す力をすでに持っておった。
そこで時葉のおやじさんがの、
「零には小さいころから恐れられ感情を殺して生きており
友もいない。だから家の名を隠し人間らしく生きてほしい」
とお願いされたものだから受け入れてあげたのじゃ」


「そうですか。だからあんなに優秀なんですね。
優秀がゆえにぬけているところもありますが・・・」


「手厳しいのう。他にはないのか?」


「では遠慮なくお聞きします。なぜ時葉零は


女なのに忍たまにいるのですか?


くの玉に入れない事情でも?」


「さすが、鷲野さんとこの子供であるな。
人を見抜ける力でもあるのかのう?
時葉零はくの玉としてはちと力が強くての、それに傷もある。
儂はくの玉でもいいと言ったのじゃが時葉自ら
忍たまでいいといってな」


「そうですか。ばれる心配はないのですか?」


「多分ないじゃろう。お主には言っておくが
鉢屋三郎も見抜いておった」


「さすがですね。でも確信はもってなかったのでしょう」


「本当になんでもしっておるな。
時葉よりも優秀なんじゃないかのう?
カマをかけられたんじゃ。まぁ鉢屋にならいいと思ってな」


「ただ人の性格をよく知っているからですよ。
私は優秀ではありません。知識の持ち腐れですよ。
うまく使いこなせる時葉零や鉢屋先輩のことを
優秀といい天才というのです」


「相変わらずだのう。もう聞きたいことはないのか?」


「今のところはありません。ありがとうございました。
大川さん」


「いつになったら学園長といってくれるじゃ?」


「皆の前ではいつも学園長といっていますよ。
それでは失礼します」


「(龍之介は誰よりもある意味天才というか脅威な人間じゃ。
時葉零や鉢屋三郎なんかと比べ物にならないような力をもっておる。
それがどうでるか。見物じゃの)」


庵の何か静かめいた雰囲気はとても妙なもので近くから聞こえる
風呂の音を遮断するかのように纏われていた。




















時葉零・・・いや雪葉零か・・・
まぁ関係ないわね。
誠以外に愛されとけばいい。


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