「大丈夫か!?龍之介!」
「どこか痛いところでもあるのか?」
友はそう声をかけてくれる。
「よかった。大丈夫みたいだね」
誰だろう?制服の色を見る限り先輩だろう。
しかし・・見覚えのある顔だ。
いったいどこで?
!!そうだ。入学式のときの気絶していた茶髪の人。
「ありがとうございます。善法寺先輩」
善法寺先輩というのか。
「鷲野龍之介といいます。このたびはありがとうございます」
「そんな堅苦しい。気軽に話してよ。
私は善法寺伊作。よろしくね?」
「はい。よろしくお願いします。
それにしてもなんで善法寺先輩がここへ?」
「あぁ、それはね?そこの田村君と平君に
君が泣きながら過呼吸を起こしていると聞いてね。
保健委員としてきたんだ」
「そうですか・・・。ありがとうございます」
「なんかつらいことがあったのかい?」
「いえ、むしろ嬉しいので大丈夫です」
「そうか、ならいいんだ」
ガラッ。
ふすまの開いた音がする。
「新野先生を連れてきました」
喜八郎がいつもの口調と違った口調で入ってくる。
そんな喜八郎は私を見て
「よかった」と笑ってくれた。
その後、新野先生に精神安定剤を念のためもらい
安静できるようにとみんなは帰って行った。
今日は先輩の知り合いができたし、よかった。
一年生ライフも残り少し。
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