追記

「いけいけどんどーん!」

「あぁ!七松先輩!三之助がいないんです!探してくださいよぉ!」

「金吾!あの人は放っておけ!三之助を探しにいくぞ!四郎兵衛、お前も!」

「ちょっと待ってください〜」


二年は組、時友四郎兵衛です〜。今日もいつも通り体育委員会で山登りです〜。
次屋先輩がいつも通りいなくなりました〜。そして七松先輩もどこかへ〜。

・・・あれ?平先輩と金吾もいない〜?もしかして迷った・・・。

ガサ

「うわ〜!」

************

「おい!三之助!とまれぇぇぇ!」

「滝夜叉丸先輩!キャラ壊れてますよ!次屋先輩、動かないで!」



「・・・よし、やっと捕まえた」

「もう!次屋先輩!勝手に動かないでください!」

「ちゃんと走ってたんだけどなぁ?」

「お前は走るな!金吾、四郎兵衛!帰るぞ」

「七松先輩放っておくんですか?・・・・・・あれ?時友先輩は?」

「放っておいてもかまわないさ。・・・・・・なんだと?」

「最初っから四郎兵衛、いませんでしたよ?」

「はぁ!?なぜ先に言わない!

四郎兵衛!!」

**************

「ん?あいつらいつの間にかいなくなってる・・・。ちょっとまつか!」


「ここら辺崖になってるんだな。・・・にしても風が異様に強いな・・・。
あいつら落ちてなきゃいいんだが」

──・・・っ──


「なんだ?今の・・・」

──・・・先輩・・・──

「・・・まさか!」

***************

痛い・・・。
腕がちぎれそう。
体が重い。

僕は、崖にへばりついていた。
不注意で落ちてしまった。
風が強くて背中にあたるたび痛みが襲ってくる。

このままじゃ落ちてしまう・・・。
先輩・・・僕のことに気付いてるかな・・・。
まさか、忘れられたりして・・・。
そんなの、やだなぁ・・・。



「四郎兵衛!」

「・・・七松先輩?」

「そうだ!今助ける!少しだけふんばれ!」

「あっ!七松先輩!もしかして時友先輩、落ちたんですか!」

「そうだ!おい、滝夜叉丸と三之助!手伝え!」


皆、きてくれたんだ。・・・嬉しい。
ふっと持ち上げられたと思ったら人の体温が伝わってくる。

「大丈夫か、四郎兵衛。すまないな」

「大丈夫です。ありがとうございます」

「礼なんていらないからな!当然のことをしたまでだ」

「時友先輩、冷たい!」

「本当か?よし!今から帰って風呂にでも入るぞ!いけいけどんどーん!」

「あぁ、ちょっと待ってください!」


やっぱり、いつも通りだなぁ。
こうやってもっと騒いでいたいなぁ。

体育委員会でよかった。

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