追記
「いけいけどんどーん!」
「あぁ!七松先輩!三之助がいないんです!探してくださいよぉ!」
「金吾!あの人は放っておけ!三之助を探しにいくぞ!四郎兵衛、お前も!」
「ちょっと待ってください〜」
二年は組、時友四郎兵衛です〜。今日もいつも通り体育委員会で山登りです〜。
次屋先輩がいつも通りいなくなりました〜。そして七松先輩もどこかへ〜。
・・・あれ?平先輩と金吾もいない〜?もしかして迷った・・・。
ガサ
「うわ〜!」
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「おい!三之助!とまれぇぇぇ!」
「滝夜叉丸先輩!キャラ壊れてますよ!次屋先輩、動かないで!」
「・・・よし、やっと捕まえた」
「もう!次屋先輩!勝手に動かないでください!」
「ちゃんと走ってたんだけどなぁ?」
「お前は走るな!金吾、四郎兵衛!帰るぞ」
「七松先輩放っておくんですか?・・・・・・あれ?時友先輩は?」
「放っておいてもかまわないさ。・・・・・・なんだと?」
「最初っから四郎兵衛、いませんでしたよ?」
「はぁ!?なぜ先に言わない!
四郎兵衛!!」
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「ん?あいつらいつの間にかいなくなってる・・・。ちょっとまつか!」
「ここら辺崖になってるんだな。・・・にしても風が異様に強いな・・・。
あいつら落ちてなきゃいいんだが」
──・・・っ──
「なんだ?今の・・・」
──・・・先輩・・・──
「・・・まさか!」
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痛い・・・。
腕がちぎれそう。
体が重い。
僕は、崖にへばりついていた。
不注意で落ちてしまった。
風が強くて背中にあたるたび痛みが襲ってくる。
このままじゃ落ちてしまう・・・。
先輩・・・僕のことに気付いてるかな・・・。
まさか、忘れられたりして・・・。
そんなの、やだなぁ・・・。
「四郎兵衛!」
「・・・七松先輩?」
「そうだ!今助ける!少しだけふんばれ!」
「あっ!七松先輩!もしかして時友先輩、落ちたんですか!」
「そうだ!おい、滝夜叉丸と三之助!手伝え!」
皆、きてくれたんだ。・・・嬉しい。
ふっと持ち上げられたと思ったら人の体温が伝わってくる。
「大丈夫か、四郎兵衛。すまないな」
「大丈夫です。ありがとうございます」
「礼なんていらないからな!当然のことをしたまでだ」
「時友先輩、冷たい!」
「本当か?よし!今から帰って風呂にでも入るぞ!いけいけどんどーん!」
「あぁ、ちょっと待ってください!」
やっぱり、いつも通りだなぁ。
こうやってもっと騒いでいたいなぁ。
体育委員会でよかった。