妄想 | ナノ


:: きょーふ特集




ガチャ
収録が思ったより長引いてしまった夜
疲れた身体を引きずりながら玄関のドアを開けた
 
「ただいま〜…」
 
「きゃああああ!」
リビングから聞こえる妻の悲鳴
何事かと思い靴を脱ぎ捨て走ってリビングに向かうと
「うあ!いたいた!ママこれだよね!!」
まるで間違い探しを楽しんでいるかのように目をキラキラさせながらTVの心霊特集を観ている息子と
「いやあああ!見付けないでっ教えないでえええ!!」
娘を抱き締めながら絶叫する妻
「きゃっ♪きゃっ♪」
遊んでいると勘違いしているのか楽しそうに体を揺らす娘
「すっごいすっごい!」
「ふえええん‥」
「きゃーい♪」
楽しそうな息子と娘
そして半泣きな妻
「……」
どうやって話し掛けようかと悩んでいると
「あ‥ゆ、悠一さん…」
半分死んでいる妻が床を這うように近付いてきた‥正直怖い
「た、だいま」
「TV、いや…もう観たくない…」
「とりあえず寝室行こう、な?」
「でも、翔と奏‥」
「あいつらは大丈夫だから」
「うん…」
半泣きで腰を抜かしている妻を姫抱きにし、夫婦の寝室に向い優しくベッドに下ろした
「で、なんであんなTV見てるんだ」
「だだ、だって‥翔と奏が観たいって言うから…」
「駄目って言えばいいだろ」
「で、もママが怖いからって理由は納得しないでしょ…?」
「まぁ、あいつらだしなぁ…」
「ずっと観たい観たいって言うから…仕方ないなって」
「はぁ…怖がりのくせに」
「ううう〜」
また泣き始めた妻、小さくなりながら顔を真っ赤にして泣く姿に愛しさが込み上げてきて
「ほら、侑季泣くな」
「ふっ」
少し強引に、少し激しくキスをした
「っは、後で翔に話しとくから…今は寝てろ」
「や…っ一人にしないで!」
「大丈夫だから、」
「やっだ!!」
腰辺りに絡みついた妻の腕
「侑季っ」
「悠一さん、悠一さん」
「…」
これは、こっちが諦めなければいけないらしい
「…わかった」
「!」
「侑季が寝れるまで抱き締めるから、それでいい?」
「うんっ」
可愛いな、オイ
「悠一さん!早く早く♪」
侑季はお気に入りの毛布にくるまって俺を呼ぶ
「(我慢我慢)はいはい」
「悠一さんギュッってして」
「はいはいお姫様」
「もっとギュッってして!」
「このくらいをお望みですか?」
「ん!よきかなよきかなっ」
こんな会話を繰り返していると疲れた身体だったからか二人とも眠りについてしまったとさ
 
 
 
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さっきTVでやってたから…←
今回もだいぶ無理矢理締めました。
この間翔と奏はまだTV観てます。
この二人に怖いものは無いようです。
 




20110804/21:35


mae :: tsugi


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