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香坂の膝の間にすっぽり身体を収め背中を預ける。
彼が腹に回した腕で輪を作るようにし、時たま癖のない黒髪を撫でた。
幸福だし、嬉しい。こそばゆくて、面映ゆくて、心がそわそわ落ち着かない。なのに不快に思わない。
期間限定の仮だとしても恋人は恋人だ。
自分は香坂にこうされる権利があるし、同じように彼を甘やかす権利もある。
誰にも許さないゼロ距離を許されるし、少しの我儘や甘えも当然。
家族以外でそういう人がいなかったので他人にどこまで許していいのか、許されるのかわからない。
そもそもお付き合いとはなにをするのだろう。
どんな風に過ごし、どんな会話をし、どんな態度でいればいいのだろう。
じっくりと時間をかけて少しずつ慣れようなんて悠長なことは言ってられない。
一ヵ月しか時間がないのだ。一分、一秒も無駄にはできないし徹底した計画を立て理詰めで彼を追い詰める方法しか思い浮かばない。
ぽかんと口を開け、なにもない宙を見つめる。

「……腹減らね?」

「……あんまり」

「ああ、胸がいっぱいで?」

一瞬で頬と耳の先が熱くなる。図星だけどそんな風に言うことないじゃないか。これだからデリカシーのない男は困る。
背後から顔を覗き込まれ慌てて俯いた。

「うなじまで真っ赤」

「うるさいなあ!」

親指ですりっと擦られ手を振り払った。

「そういう態度ってわざと?計算?」

「はあ?計算してたらこんな態度とるわけないだろ」

赤い顔で睨んでも効果はないとわかっているが条件反射で睨めつけた。
香坂は鳩が豆鉄砲喰らったような馬鹿面を晒し、ぽかんと口を開けた。
ああ、情けない。きっと呆れている。こんな調子じゃ一ヵ月で彼の心を引き寄せるのは難しい。
誰かに聞こうにも相談相手が楓ちゃんか白石しかいない。どうしよう。
視線を俯かせると腕を握られ立ち位置を交換するようにされた。
ベッドの側面に凭れかかるようになり、急になんだよと声を荒げる。

「香坂!こうさ、か……」

予想以上に至近距離にあった香坂の顔は今まで見たどれとも違った。
にたりとむかつく笑い方、眉間に皺を寄せる不機嫌なとき、呆れたような生温い眼差し、そういう顔はたくさん見てきたが、瞳の熱を失ったような、だけど最奥は爆発するように燃えているような、こんな表情は初めてだ。
ああ、いや、初めてじゃないかもしれない。楓ちゃんを見つめる彼の目はいつも燃え盛る炎のようだった。その目で僕を見てほしいと願っていた。今彼の双眸には僕以外映っていない。
願ったものを与えられ、嬉しいはずなのに上手に応えるだけの知識や経験がない。
握られた腕にぎちっと力が込められ痛みで眉を寄せる。
彼の顔が近付き、ごちゃごちゃ考えてないでやるしかないと覚悟を決めぎゅっと瞼を落とした。
来るであろう接触を待ったがそれはなかなか訪れず、かと思うと香坂は腕を放し僕を素通りして背後のベッドに顔を埋めるようにした。

「あー……」

「え、どうした……」

なにかしくっただろうか。間違っただろうか。
焦ると背骨が折れそうなほど強く抱きしめられた。

「俺やばいかも」

「……やばい?」

「どうしても止まらないときは殴ってくれ」

「僕人を殴ったことなんてないよ」

「なんでもいいから暴走したら止めてくれ」

「はあ……」

意味がわからなかったがつられて返事をしてしまった。
暴走を止めるのはいつも香坂の役回りだったじゃないか。
ストレスをためにため、爆発して大泣きする僕を香坂はいつも宥めてくれた。
人肌の温もりでささくれ立つ心を丸く直してくれて、大丈夫だからと囁いて。
そっと彼の背中に手を回し上下にさすった。

「だ、大丈夫だよ」

これで合っているだろうか。

「大丈夫、大丈夫……」

繰り返し唱えると香坂の身体から力が抜けていくのがわかった。
耳元でふっと笑われ馬鹿にしてるのかと視線をやると、少し困ったような、だけどとても優しい顔をしていた。
その顔も初めてみた。
あれも、これも、恋人という名札を貼ったから見られたもの。
喧嘩をするだけの関係なら一生知りえなかった香坂。
心臓が絞られたように痛い。これをきゅんというのだろうか。どちらかというと不整脈だ。

「俺も胸がいっぱいになってきた」

「真似すんな」

「でも飯は食わないとな。お前細っこいから。学食行くぞ」

簡単に離れてしまうのが苦しくて彼のカーディガンを掴んだ。
どうしてだろう。この部屋を出たら終わってしまう気がする。
地続きだった今までが部屋を出たらひび割れて恋人の名札が遠くへ飛んで行ってしまいそう。
彼の気持ちが変わったら。少し冷静になってやっぱりなしと言われたら。
どうしたら阻止できるだろう。どうしたら僕を好きになってもらえるだろう。どうしたら――。

「飯食って、風呂入って、一緒に寝るんだろ?」

香坂は僕の腰を抱えるようにしながら立ちあがり、な、と顔を覗き込んだ。

「……そうしてくれるの」

「約束しただろ。ずっと一緒に寝ようって」

「……うん」

「じゃあちゃんと飯は食えよ。お前楓さん以外の飯は不味いとか言ってちゃんと食わないから」

「だって美味しくないんだもん……」

「まあ、楓さんの飯で育てばそうなるのもわかるけど」

くっくと笑った横顔をぼんやり眺めた。
楓ちゃんは香坂の心のどれくらいを占めているのだろう。
彼は以前と同じ好きではないと言ったけど、楓ちゃんの話しをするときの香坂は以前と同じように優しい。好きで好きでしょうがないと自然と伝わってしまう。
一瞬落ち込みそうになり、そんなのわかっていたことだしと顔を上げた。
楓ちゃんを好きな彼を好きになった。
自分に多少好意を持ったのもふとしたときの顔が兄に似ているからだろう。
性格も楓ちゃんを真似ればもっと好きになってくれるのだろうか。それはもう月島薫ではないし、楓ちゃんのジェネリックになるつもりもないけど。
僕は僕のままで香坂に向き合わなければ意味がない。
別人を演じてもそんな張りぼてでは彼の心は動かない。
たった一ヵ月しかないのだからもっと上手にやらないと。
目の前の皿から人参をぽいぽいと香坂の皿に放り投げながら考えた。

「おい、高校生にもなって好き嫌いすんな」

「自分を棚に上げて?」

「俺は好き嫌いしてない」

「ふうん。茄子、黒田くんに食べさせてるの知ってるよ」

「お前よく見てんな」

そりゃあ、と言おうとして口を噤んだ。
こんなのストーカーみたいじゃないか。
決してそういう意図はないのだけど、意識するより先に目が彼を探してしまう。
見つけると気になって、だめだとわかってもちらちら見てしまう。
彼に関すること全て、理性で押し付けないともっともっと欲しがってしまう。
味のしないご飯を無理矢理詰め込んだ胃袋がはち切れそうなほど苦しく、ベッドに横臥した。
香坂は使い捨てのコンタクトを外し、眼鏡をかけてベッドに座った。彼は朝必ずコンタクトをつけるので、この眼鏡姿が見られるのも同室の特権だ。

「大浴場行くか?」

「いいよ。部屋のお風呂で」

「一回も行ったことないだろ」

「他人と入っても楽しくないし」

「俺と一緒なら楽しいかと思って」

君と一緒だからなおさら入りたくないんだろ。
枕に顔を埋め、じっとりとした視線をやった。
男女ではないし、意識しろというほうが無理なはなしかもしれないが性別関係なく、好きな相手の裸なんて耐性不足で手に余る。
同じ構造でも好きのフィルターがかかった瞬間別のなにかになってしまうものだ。
そういう繊細さというか、恋をする気持ちを理解してほしい。
楓ちゃんが好きだったのだしわかっているだろうに、やはり僕相手じゃ恋愛にシフトさせるのは難しいらしい。
意識させるには好きだとしつこく言うしかない。
自分たちは恋人なのだと何度も何度も刷り込めば単純な彼のことだから暗示にかかってくれるだろう。
だるい身体を引きずって香坂の隣に腰を下ろした。
彼がいじっていたスマホを取り上げ顔を寄せる。

「僕、君のこと好きなんだけど」

「……知ってる」

「好きな人の裸見るってハードル高くない?つきあったその日に一緒にお風呂入ろうなんてどうかと思う」

「……そうか?」

「くっそ。これだからチャラ男は」

「じゃあなに。お手手繋ぐところから?それとも文通から始めるか?」

「そ、そうじゃないけど少しはこっちの気持ちも考えてくれてもいいだろ!」

「だから、お前の考えるおつきあいの正攻法を聞いてんだよ。合わせるから」

「そりゃあ……」

ふわふわ、ぼんやり、曖昧な知識しかない。
恋も愛も不必要だった。他人に興味がなかったので、勿論つきあいたいと思えるような女の子がいたわけもなく、自分には縁遠いそれらのノウハウなど無駄なだけだった。
なのに今全力で後悔している。もう少し耐性をつけるべきだったし勉強しておくべきだった。
顎に手を添えながらうんうん唸ると香坂が噴き出した。

「そんなマジになって考えなくてもいいだろ。じゃあほら、手」

差し出された掌にそっと自分の手を重ねた。

「これで手を繋ぐはクリアしただろ。次」

片手は繋いだまま、もう片方の手で頬を包まれた。反射的にぎゅっと目を閉じると頬にふにゅっとした感覚があった。

「今、キスした?」

「した。頬だけど」

「僕目閉じちゃったからもう一回して」

わくわくしながらリクエストすると香坂は小さく笑いながらもう一度頬にキスをくれた。
これがキスというものか。
感動しそうになり童貞くさいのでそんな自分を払拭した。
香坂はこういう経験がたくさんあるのだろう。あまりもたもたしていると面倒とか、鬱陶しいと思われるに決まってる。
逆の立場ならうわあ、と引くしそういう余計な駆け引きをすっ飛ばしてくれる相手がいい。

「ぼ、僕もするよ!」

ええい、ままよ。
そんな決意で香坂の両頬をがっしり掴んだ。
彼はぽかんとこちらを見上げるばかりなので目を閉じろと命令する。

「はい、どうぞ」

意外と睫毛長いとか、パーツの一つ一つが綺麗だとか、さすが香坂家の血筋とか感心しながら顔を寄せた。
こういうことは勢いが大事。
頬から口に軌道修正し、言葉通り勢いよくキスしてしまい、眼鏡がごちんとぶつかって顔を覆った。

「いたーい!」

「俺のほうが痛いわ……」

「キスするときは眼鏡とってくれてもいいじゃん!」

「お前がとればいいだろ!頬にされると思ってたわ!」

「頬とか童貞くさい!」

「くさいじゃねえよ。童貞なんだよ」

「うるさーい!」

口喧嘩するうちに身体からも心からも力が抜けていく。
喧嘩が安心するなんて変な話しだけどいつも通りの自分たちにひどく安堵する。

「やり直しする?」

「う……。もう強がるのやめる。こういうことは君に任せたほうがよさそうだ」

「じゃあしっかり勉強しような。学年一位の秀才くん」

香坂は顔を斜めにし、驚く暇もない速さで触れるだけのキスをくれた。

「……眼鏡、当たらない」

「角度考えればわかんだろ。お前頭いいのにこういうことになるとまるでポンコツな」

「な、この僕がポンコツだと……!?」

言い返せないのが悔しい。
唇を噛み締め握った拳をぷるぷる震わせた。
なにか言い返したい。だけどなにも浮かばない。
うー、と唸り、風呂場に逃げた。
香坂が勝ち誇ったように笑う声が聞こえる。地団駄を踏みむしゃくしゃしながら服を脱いだ。
勉強してやるさ。学年一位を舐めるなよ。
あんなこと言ってすみませんでしたと頭を下げさせてやる。
なにをすれば彼が驚いてくれるか、見直してくれるかわからないし、わからないのがすでにやばいと思うのだけど。
高校一年でこれってあまりにも無頓着すぎる。
シャワーを浴びながらまずは楓ちゃんか白石に相談だなと決めた。
入れ違いで香坂が風呂に向かったのでベッドに腹這いになってスマホを起動させた。
案の定楓ちゃんから鬼のように連絡がきている。
電話をするべきか、直接会って報告するべきか。
時計に目をやり今まさに真っ最中だったら申し訳ないので仲直りしたこと、後日きちんと説明と謝罪に行く旨を書いたラインを送った。
大好きな兄が恋敵なんて僕は前世でどんな悪事を働いたのだろう。
こんなはずじゃなかったのに好きになる人間は選べない。

「なーに深刻な顔してんの」

「別に。楓ちゃんにライン送ってただけ」

「心配してんだろうな。あんな飛び出し方したら」

「わ、悪いと思ってる」

「楓さんは弟がかわいくてしゃーないもんな。俺の兄貴にもその優しさ分けてほしいもんだ」

「……優しくなんてないもん」

拗ねたような言い方にはっとし口を手で覆った。
僕は楓ちゃんが大好きだ。好きなものは唯一兄と言えるくらいに。
口煩くて、だらしなくて、勉強もできない。だけど幼い頃からいつだって僕を守ってくれた。
大事なものは胸を張って大事だと言える勇気があって、頑固で憎たらしいけど素直で簡単に折れない強さがある。
本当に正反対な兄弟で、だからこそ足りないものを補い合ってきた。
楓ちゃんには目一杯甘えるし受け入れてくれる安心感が大好きだ。そう、僕は兄が大好き。
なのにどうして、彼の口から楓ちゃんの名前が出ると心がささくれる。
こんな自分は一番嫌いだ。

「楓さんと喧嘩中?」

まだ乾ききってない髪を一束すくわれた。

「そうじゃ、ないけど……」

「月島兄弟の喧嘩も派手だもんな。俺らはすぐ手が出るけどお前らはずーっと口喧嘩続くだろ?口でお前と張り合えるなんてさすがお兄ちゃんって感じ」

「……そうだよ。楓ちゃんは僕のお兄ちゃんなんだから君にはあげないよ」

「兄貴にはあげただろ」

「あれは自分の知らないところでそうなってたからで……」

「知ってたらあげなかった?」

「……例えば楓ちゃんが僕の物でも香坂さんならあげてた。だってあの人楓ちゃんがいないと生きていけない。主に生活力の面で」

「よくわかってんじゃん」

偉い偉いと乱暴に撫でられ彼のTシャツを引っ張った。
コアラのようにがっしり身体に抱きついてそのまま目を閉じる。
僕が物で、誰かがあげると言ったなら香坂は受け取っただろうか。そんな物いらんと突っぱねただろうか。
感情のない物であったなら生きるのがどんなに楽か。

「寝るには早くねえか」

「今日は色々あったから疲れて……」

頬杖をつく彼に手を伸ばし眼鏡を奪った。

「お、おやすみの前にはするものなんじゃないの……?」

「セックス?」

「キスだよ!」

「わかってるよばーか」

こいつ。自分の言動で僕が赤くなったり青くなったりしてるのを愉しんでやがる。
いつもの月島薫ならくすりと笑って上手に交わせるのに。
香坂の前で猫を被るのは今更だし、余所行きの顔気持ち悪いとか言われるのでやらないけど。
奥歯を噛み締めている間に軽く触れるキスをされ、まだ至近距離にある香坂を見つめた。

「……もう一回」

「お前キス好きだね」

「だっていっぱいしないと損だろ?」

「損って……」

呆れたような溜め息を吐かれ、だけどリクエスト通りもう一度してくれた。
じんわり温かい。口から漏れる吐息が熱い。
やばい。これは想像以上に気持ちいい。
離れていく顔をがしっと掴み、もう一度自分からした。
呼吸のために顔を離し、もう一度と言ったのにもう終わりと窘められた。

「なんで。減るもんじゃないし」

「お前よく平気な。性欲枯れてんの?」

「は?性欲……?」

彼がなにを言わんとしているのか理解し、布団を鼻上まで引き上げた。

「ああ、そこまで頭回らなかった?」

「ぼ、僕はつきあったその日に手を出すほど不誠実じゃないんだよ!」

「拗らせてんなー」

「うるさい!きちんと知識を得てからしないと君を傷つけるかもしれないだろ!痛いとか苦しいとか思わせるのは嫌だし……」

「……ちょっと待て。痛いとか苦しいって思うのはお前じゃなくて?」

「なんで僕が?」

「だって役割的に……。え、お前俺を抱きたいの?」

「もう少しオブラートに包むことを学んだら?そんなあけすけに言うなんてデリカシーのない」

「マジで?この俺を?マジで言ってんの?」

「そんなに何度も確認しなくても。僕変なこと言ってる……?」

「……いや、そうだよな。うん。まあ、そうなるわな。月島も男だしな」

「なに言ってんの?」

香坂は訝しむこちらの顔をじっと見つめ、次にくしゃっと破顔した。

「楽しい駆け引きができそうだな」

「は、意味がわからん」

「まあまあ。精々がんばって誘えよ」

「い、言われなくても!」

明日から必死に勉強してスマートに組み敷いてやるさ。
知識だけでは足りないとわかっているけど実践はできないのでぶっつけ本番でやるしかない。
だって一ヵ月しかないし、身体が満たされないから他がいいなんて言われたら嫌だ。
やはり楓ちゃんに聞くべきか。いや、兄弟でそういう話しはなかなか痛い。
じゃあ白石か。馬鹿に頭を下げるのはプライドが傷つくがやむを得ない。
まあ、それは明日からの自分に任せるとして、今日くらいはごちゃついた思考を端に寄せ香坂を思い切り堪能しても罰は当たらないだろう。

「腕枕してあげるよ」

「そのほっそい腕で?折れるぞ」

「折れない!」

「はいはい。ありがたく施しをうけますよ」

自分の胸に香坂の頭をかき抱くようにし銀色の髪に指を差し込んだ。
綺麗なこの色が今は大好きだ。
どこにいてもすぐ見つけられるし、彼にはよく似合っている。

「お前意外と寝相悪いから蹴っ飛ばされそう」

「こっちのセリフだし」

寝る直前まで憎まれ口を叩き合うなんて、以前となにも変わってない。
変わってないけど少し違う。
今は憎まれ口も少しだけ甘さを含んでいて、他愛ないじゃれ合いがこんなにも楽しい。
一ヵ月、毎日こんな幸福を享受できるんだ。
考えただけで胸が圧迫されたように甘苦しくなる。
呑気にぽやぽやしていられないのだけど、気負ってばかりじゃ一ヵ月ももたない。こうやって毒抜きしながら傍にいる方法を見つけよう。



END

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