one/サッチ
これを選んだなんてどうかしてる。
我ながらそう思わずにはいられないくらい、目の前の男は私の持つ理想の男性像とは掛け離れていた。
髪型は笑えるくらい変だし性格は騒がしくてバカだし女癖とか最悪だし何より顔が良くない。
「なんでサッチみたいなのと付き合ってんだろ。私」
「・・・待て。今なんつった?」
「ごめん失言しちゃった」
「いやいやいや謝ってる意味ねーからそれ」
「だってサッチだよ!?世界には素敵な男がたくさんいるのにサッチだよ!?」
「おま、おれ泣くぞ?いーの?」
まぁいいか。恋人が絶世の美男子とか、私が引き立たないし。
「出てる出てる声に出てる」
「サッチだったら私の可愛さがいっそう引き立つってもんよ!」
「あー・・・そうね・・・、はは・・・」
fin
THE★プラス思考
2015/05/06 23:45