なぜか聞いてしまった。聞いて良いものかわからず、声に出してから少し後悔した。
高杉は抱き締めていた腕を離し、桂をまっすぐ見つめる。

「今更なんだけどよォ…、俺ァてめェのことが好きなんだ」
高杉の真っ直ぐな目。久々に見た。桂の胸は少しとくんとなる。

「あの頃から…、昔からずっと好きだったんだ」

桂は驚きとしか言いようがない顔をした。


***

あの頃、と言うのは松陽先生がいた頃から。学舎で一緒に勉強していた頃から。

銀時もその頃からずっと桂のことが好きでお互いに恋路の面でもライバルであった。

その銀時が桂と付き合った、と聞いたとき高杉は銀時を強く恨んだらしい。
だが、今ではそれを受け入れている。
受け入れた上でもまだ桂のことを諦めていないなだった。



昔の話を聞かされて、まったく二人が自分のことを取り合っていたと言うことをはじめて知った。
するとまた高杉は桂を抱き締める。
「もう、諦める。俺ァつれェ…。今日でこの思い、終わりにさせっから…」

なんのことか分からない桂。

「だから、一回だけヤらせろ」
弱々しい。高杉が本当に弱々しいと感じた。そんな高杉が可哀想で。
銀時に少し疲れた桂は高杉を理由に少し現実から逃げたくなった。
静かに頷く。

最初は触れるだけのキスをして、徐々に荒々しい貪るようにする。
高杉ははじめてこんな姿の桂を見てひどく求めた。


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