桂は酒の勢いをかり、今まであったこと自分が思っていたこと吐き出した。
桂が話しているとき高杉は優しく桂を見つめ、きちんと話を聞いていた。

「俺はちゃんと銀時を愛せているのだろうか」
桂は最後にこの言葉を吐いた。その言葉を吐いた途端、心に突っかかっていた物が取れたかのように、桂はぽろぽろ大粒の涙を流し始めた。

無言で話を聞いていた高杉。なにも発せずに手を伸ばし、桂の涙を優しく拭う。いつもの荒々しい高杉とは思えない。

「『泣くな』とは言わねェ。一旦、場所変えねェか…?」

おじさんはうたた寝していたが、いつ起きるか分からない。高杉は桂に気を使っていた。

おでん屋を出てすこし頭が冷えた。
「あ…、金を払っていない…」
ふと気付いたが、高杉が払ってくれていたらしい。

桂は久々に自分の家に戻ってきた。忙しくて万事屋寝泊まりしていたのだ。
何もない自分の家に高杉をあげ、適当にお茶を出す。
小さなちゃぶ台に置くと高杉の向かいに静かに座る。
「ヅラァ…、大丈…」
「大丈夫だ、さっきはすまんな」

心配してくれてるのは分かる。高杉の時折見せてくれる優しさには本当に感謝している。
だけど、さっきは泣いてしまったけど、これ以上高杉に迷惑はかけれない。
きっと、高杉に言ったと知れたら銀時も嫌がるだろう。

無理して笑ってみるが、きっとその笑顔で高杉を不快に思わせてしまっただろう。
高杉は立ち上がりゆっくり桂の元まで来る。静かにこしをかがめて、…桂を優しく抱き締めた。
耳元で少し震えた声で呟く。

「もう、我慢しないでくれよ」
泣いているのかと思ったが、高杉は優しく強く抱き締めていたので桂は確かめることもできない。

「高杉…。どうして、そんなに優しくするのだ」


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