「どー思う?」
最近周りが浮かれていることをきかせ、感想を求めてみる。
「…どーってィ…」
沖田はごくりと団子を飲み込み
「恋をするのは当人たちの自由ですぜィ」
にたっと笑い神楽にドヤ顔を見せる。
返答とその憎たらしい顔に神楽は苛立つ。
「恋なんて幻想に浮かれてるなんて馬鹿アルっ!もっとやるべきことがあるはずだヨっ」
拳を握り、言葉に力を込める。
「あ、まさか、チャイナ娘…」
沖田は団子の串を皿に戻すとひょいと立ち上がり
「羨ましいですかィ?」
不意打ちだった。
神楽はその一言が気にかかる。
沖田とその後別れ、帰り道ずっと考えた。
『羨ましい』
小石をとんと蹴る。
「…羨ましくなんか…」
夕日が背中をあつくさせる。
「ないアル……」
最後の言葉に段々本当に自分が思っているのか、自信が持てなくなっていた。
家に帰っても考える。
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