「なにアルかっ」
神楽はイラついていた。周りがピンク色に染まる中、神楽だけ取り残されていた。
それでも神楽は「私は恋なんてしないアル」といい意地を張っているのだが、その半面“コイ”というものに憧れてもいた。
銀時は銀時で桂とくっついてるし、最近は新八も浮かれてるし、近藤はストーカーが激しくなるし、お妙は九兵衛と買い物に行ったりしているし、神楽は少しさびしくなっていた。
かぶき町を一人で散歩するが、よけいデート中の人に目が行ってしまう。最初は「ケケっ!浮かれやがって、バーカバーカっ!!」な感じで二人の間をわざとらしく通ったりしていたが、徐々に何がか虚しくなってきた。
「…」
足を止め、うつむく。
「よォ、チャイナ娘ー」
ふと声がして振り返ると、そこにいてほしくないドS人間がいた。
「なにアルか!!」
不機嫌になる。
沖田はゆっくり近づき、いつものように口論になる。
でもそんな瞬間が、なぜか神楽はさっきの虚しさを感じずにいられた。
口論というか、喧嘩もおさまり団子屋で一時休戦した。
団子を頬張りながら神楽は沖田に愚痴を聞かせる。
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