初めての免許センター。
キャプテンカツーラ、いや桂が車内で待っていると何やら外から教官と誰かが話している声がきこえた。

助手席のドアが開く。
開けながらも教官は話を続けた。
何やらその話の内容は合同教習をする、といったような内容だった。

ので桂は一応自己紹介をするために、名前を言った。

「どうも、宇宙海賊キャプテンカツーラです。よろしくお願いしま…」
自己紹介を言い終える前に強く蹴りを入れられ、桂は窓から外に飛び出る。


(銀時ィ…)

合同教習の相手は銀時であった。
桂はまあ別に銀時と一緒に教習するのは嫌ではない。
が、銀時は違っていたようだ。なんだがイライラしている。

「ほら、かもしれない運転だからきちんと予測してね」
教官が後ろに座り、指示をする。

大丈夫だ、俺ならできる…。

「もしかして、俺は緊張しているのかもしれない」
「どんなかもしれない運転!? つーか、かもしれなくねェんだよ完全に緊張してるんじゃねェか!!」
いつものように銀時が突っ込む。
初めての運転でどうしていいのか分からなく、少し(以上に)危ない運転をしてしまう。

「ちょ、ちょっとまってカツーラさん、トイレに行かせてくれないか」

教官が震えながらも訴える。
「す、すみません、教官…」
停めてようとしながらも、車は動いている。 
…止めたいのに、停め方が分からないのだ。
完全に緊張しきっていた桂をみて、銀時は助手席のブレーキを使う。

コンクリートにゴムがこすれて、音がなる。

ドアを開けて、教官は
「ちょっと、待っててね」
と急いで厠へ向かって行った。


教官が出て行った車内で二人、少し静かになる。

「なァ、銀時…。どうしたらうまく運転が出来るんだ」
ハンドルを握ったまま、桂はぐったりとした銀時の方を向く。

「だから、かもしれない運転っつたろーが」
「例えば…?」
死んだ魚の様なめでこちらをみる銀時。
何を考えているのか分からない。

「…もしかしたら、俺はてめェの事が好きなのかもしれない」

唐突に言われた言葉。
恥ずかしくて顔から火が出るくらい紅くなる。
ハンドルの方に視線を戻し、姿勢も前かがみにし、出来るだけ銀時の方が見えないようにする。
のと同時に、自分自身の動揺している顔が銀時に見られないように長い髪で顔を隠すようにもした。
「ぎ…銀時ィ!!貴様、ふざけるのも大概にしろよォ…っ!!!」

「俺ァ、まじめだ、てめェが好きだ」
少し間を置き答える銀時。先ほどとは違く、声音は真面目なものに変わっていた。しかも耳元で優しく囁かれると、桂の身体はビクリと反応してしまった。

「ぎ…銀時ィっ…!!」
耳元でクスリと笑う銀時。我ながら耳は弱いのである。
銀時は耳元でわざとらしく囁いてくる。
「なに?反応ちゃってるわけ…?」
悪戯に唇を優しく触られ、余計敏感になる。

そして顔をあげられ軽く唇にキスを落とす。
キスを終えると銀時は顔をはなし、
桂に問いかける。
「てか、てめェは俺のこと、どう思ってるわけ?」


「…キライ…」

「…」

「な奴とこんな事をするか…バカ者」


恥ずかしい。
人に愛を告白するのは初めてというので、何といって良いのか解らなかった。

すこし抜けた顔をした銀時はクスリと笑って、
「そっか、んじゃ俺たちはりょーおもいってわけですか」

そう言うとまた優しくキスをする。

「んじゃ、そろそろ教官戻ってくるし、続きは後でな」
耳打ちでこのようなことをされると余計恥ずかしくなる。

厠の方に目をやると、丁度教官が出てきた。

みられてはいなかったようで少し安心した。



***

教習後、銀時と桂は仲良く一緒に手をつないで帰ったとさ、おしまい。



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