スティンガー

「どうするつもりだ。」
 常なら自身の神殿に籠っているはずのタナトスが、自分の神殿を訪れていた。
 理由は簡単だ。私のベッドで眠るこれを見に来たのだ。
「どうするつもりだ。アテナの聖闘士をエリシオンまで連れ込んで。」
「分からん。」
「お前が連れて来たと言うのにか?」
 心底呆れたという風なタナトスの舌打ちが部屋に響く。
 神たる私が何故に人の子に興味が沸いたのだろう。事実自身でも良く分からない。何故アテナの聖闘士……黄金の名を関す魚座を、態々エリシオンの自身の神殿まで連れ込んだのか。
 オリンポスの神々に名を連ねる彼女と同じく、美しく整った顔は安らかな表情をしたまま眠っていた。自らの力で眠らせているのだ。起きていても構わないのだが、今覚醒を許すと色々と面倒な状況になることが分かっているからだ。後手に回しても結局は面倒な事からは逃れられないが…。
「どうするつもりだヒュプノス。」
 三度目のタナトスの問い。
「取り敢えずここに置いておく。」
 シーツに擲った魚座の巻き毛に触れながらヒュプノスは言った。
「正気か?アテナが殴り込みにくるぞ?」
 更に理解出来ないと付け加えてタナトスは部屋を出て行った。相変わらず短慮なことだ…と兄の背中を見送る。
 確かにタナトスの云う通り、愛を説くあの戦女神なら愛する自分の聖闘士を取り戻しに、エリシオンに殴り込んで来てもなんら不思議は無い。
 しかし今の時分ではもう聖戦は終結している。アテナ、ポセイドン、そして我等が冥王ハーデスにより三界協定も結ばれたのだ。アテナとて下手に戦は起こさないだろう。
 そして人の子が云う平和なこの時は、神にとっては瞬き程の刹那の一瞬に過ぎない。そんな時の流れの中で、久し振りに興味を引く者を見付けたのだ。
「アテナが殴り込みに来た暁には、茶でも出してやろうか。」
 当分手放す気は無い。そう呟いた眠りの神は不敵に笑う。

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と、いう夢を見たんですよ。

夢の内容としては、私が第三者でヒュプノス神がアフロちゃんをお持ち帰りしてきた様子を見てる…というね←
マイナーの神怖い←

スティンガーのカクテル言葉は「危険な香り」

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