モスコミュール

 アテナの慈悲により復活を遂げて早数ヶ月が経とうとしていた。最初こそ過去の行いから他の黄金聖闘士とぎくしゃくした状態だったが、今ではあの頃よりも円滑な関係を築けている。と、思う。
 そう、生き返る前からの所謂幼馴染みの一人であるシュラは、特に表情を返ることなく言った。
「そう思える様になったのなら、良かったんじゃないか。」
 昔みたいにとはまだまだいかないが、それでも今の状況を見れば十分とすることも出来る。
 もう皆、良い大人なのだから。子どもの時みないに殴りあわなくても分かるだろう、と。
「今殴り合えば千日戦争だな。」
「止めろよ子どもじゃあるまいに…。」
 やるわけないだろう。とアフロディーテは隣に座ったシュラを小突く。止めろと言わんばかりにシュラの反撃の攻撃を許してしまった。
「痛った!そこまで力を入れてないだろう!」
「先に手を出してきたのはお前だろう。それぐらいで済んで良かったと思え。」
 多少不服であるがこれ以上は先程自分で言った殴り合い、もしくは千日戦争に為りかねない。ここは大人である自分が一歩、引こうではないか。
「寛大な私に感謝しろよ。」
「それを言うなら、寛容な俺に感謝しろよ。」
 一歩引いたつもりだが、引けなかった様である。お互いにも引かないアフロディーテとシュラは、突然自分達の小さすぎる諍いが可笑しくなって吹き出す。
 アフロディーテが持ち込んだワインを開けると、二人は控えめにワイングラスを鳴らした。



友達以上恋人未満ですが恋人同志と言い張る(笑)←
恋人になっても変に意識しないで、小さい頃と変わらずにぎゃいぎゃいやってるのが好きです。
山羊魚というか年中組はそんな感じでいて欲しい←

モスコミュールのカクテル言葉は「喧嘩をしたらその日の内に仲直りする。」

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