パイづくし 「本当は何か特別なことをしようと考えていたのだよ。なあシュラ。」 「あぁ。」 「うん。で?」 「しかしいざ考えてみると、何をもって特別と呼び、どんな特別なことをすれば君が泣いて地面頭を擦り付けながら喜ぶかと…。」 「ちょっと待て、誰が地面に頭擦り付けるって?」 「お前。」 「君。」 「よし、いっぺん積尸気行こうか。」 「きゃームウー助けてー。」 「なんですかその棒読みは…。まあ良いですけど。はい、クリスタルウォール。」 「あっ!この麿眉羊!」 「話は最後まで聞いたほうが良いですよ。」 「ムウの言うとおりだ。それに拝みたかったら私を拝みたm…。」 「シャカ、あーんして。」 「あーん……うむ、美味。」 「シャカいい加減空気読んで下さい。あっこちらのセッティングは終わりましたので。」 「あぁ、有難うな。」 「うむ、これをするにはやはりムウの力が必要不可欠だな。」 「こんなことの為にサイコキネシス能力使ってんじゃねぇよバーカ!」 「なるべく早くそこの蟹を説得して下さいね、…シオンに見付かれば面倒なことになので。」 「…肝に銘じておくよ。」 「…あっ。今度からああやってシャカに餌付けして黙らせれば良いんだな。」 「テメェは何に納得してんだクソ山羊。」 「シュラ、アフロディーテ。貴方達に言われた通り追加を持って来たのだが何処に置いたら良いだろうか?」 「それは……うん。空いてるところで良いよなアフロディーテ?」 「あぁそこのテーブルにでも置いておいてくれ。」 「分かった。」 「アルデバランのは……あーこっちに頼む。」 「うむ。確かに置いたぞ。」 「なあなあアフロディーテ、俺もシャカが食ってたやつ食べたい。」 「ミロ。」 「構わないよカミュ。たくさんあるからね、あっちで皆で一緒にお食べ。」 「やった。」 「本当に済まない。」 「アルデバランも遠慮しないでお食べよ。」 「あぁ、有難う。」 「…で、なんの話だっけ?」 「ふあいはふぇひふぁっらふぁらひ。」 「おぉ、そうだったそうだった。」 「議題忘れんな魚!食いながら喋んな山羊!汚ぇっ!」 「悪い我慢出来なかった。アフロディーテこれ美味いな。」 「君も作るのであれば、教えるのだが?」 「俺はお前とデスマスクの美味い菓子が食えれば……それで良い。」 「なんでそこで決め顔すんだよムカつくわー。」 「ふふん、そうかそうか美味いか。」 「なんでお前もドヤってんだよ。腹立つわー。」 「おーい、まだやらないのかー?」 「済まないアイオロス、蟹がごねてて…。」 「んなもんごねるわ!!ごねるに決まってるだろうが!!」 「まあまあ、主役がそんなに怒ってはいかんぞ。」 「どさくさに紛れて昔みたくわしゃわしゃ撫でんな!」 「はっはっはー小さい時もおんなじ風に怒ってたよなデスマスクは。」 「あ〜!!もう!!」 「ほら、シュラとアフロディーテもなでなで〜。」 「あ、アイオロス…!」 「…ふふ、貴方は変わりませんねアイオロス。」 「よし!年中組撫でたから、次は年少組だな!」 「………。」 「だから君は何が不満なのだ。以前にもやっただろうに。」 「前のこと思い出してっから嫌なんだっての!長い付き合いなんだからいい加減分かれよ!!」 「成る程解らん。」 「ムカつくわ。」 「腐れ縁だからと言って其々が其々の凡てを分かる訳ではあるまい?」 「最もらしいこと言ってんなよ。本当ムカつくわ。」 「えぇい面倒!男がウダウダ言うな!さっさと腹を決めてやるぞデスマスク!」 「こんなんで腹決めたく無いわ!!つかお前はなんでそんなに潔いんだよ。」 「前の時は13年間のこともあって出来なかったから今回が始めてなんだ。だから昨日から楽しみで寝られくて…。」 「遠足楽しみの小学生かよ!」 「うっ…心が痛い…。」 「シュラ、アイオリアとは仲直りしただろう?」 「わかってはいるのだが……やっぱり、来るときは来るというか…。」 「…君は相変わらず損な性格をしているな…。」 「早くやるぞデスマスク!」 「………あ〜〜〜!!分かったよ!!やれば良いんだろう、やれば!!」 デスマスクのこの声に、和気藹々とした雰囲気は一辺。彼の守護する巨蟹宮に一気に緊張が走った。 「…ルールは簡単だ。これを誰でもいいからぶつければ良い。」 「首から下の体は二点、顔に当てれば五点。制限時間は十二分。合計ポイントが高い者には細やかながら景品がでる。」 「ただし巨蟹宮より出ることは禁止。各々の必殺技・攻撃防御問わず禁止。兎に角無駄に小宇宙を燃やすことは禁止だ。」 「尚、公正を期すため審判は老師にお願いする。」 「うむ!皆頑張るんじゃよ。」 「最後に今日誕生日のデスマスクへ皆から一言。」 「「「「誕生日おめでとう!!」」」」 「ちーっとも嬉しくねぇよ!この馬鹿野郎共がっ!!」 開始の笛が鳴る前に、代表してアフロディーテとシュラからデスマスクはパイ投げを食らった。口は何時もの様に悪態ばかりだったけれど、確かに彼は嬉しそうに笑っていました。 ―――――――――――― 間に合った! でっちゃん誕生日おめでとう!(どんどんぱふぱふ) |