ハニーデュー

 シーツの海に沈んだ魚から吐き出されたのはまだ熱を含んだ吐息。白磁の様に滑らかな白い肌は桜色に染まり、時折身体を駆け巡る余韻にその身を震わす。閉じられたアクアブルーの瞳が再び開かれた時、私は自ら乱したアフロディーテのシアン色の髪を梳く。
「大丈夫か。」
 そう問うと小さく頷く。しかしまだ何処か夢心地なアフロディーテはぼんやりとカミュを見る。その表情は未だにとろんと蕩けたままだ。
 少々気だるそうだが、アフロディーテはベッドに起き上がると伸びを一つ。脇の方に置いてあった桜色のYシャツに袖を通しながら、カミュへと口を開く
「…君がこんなにもマッサージが上手だとは思わなかったよ。」
 お陰で肩や腰が大分楽になったと、ふにゃりと微笑まれる。
 努めてカミュは冷静に、キッチンから持ってきた水が入ったグラスをアフロディーテへ差し出す。
「私で良ければ何時でも。」
「うん。その時はまた頼むよ。」
 男らしく一気にぐい飲みをしてから、グラスをカミュへと返す。首に引っ掛けていたダークグレイのスカーフで蝶を作り胸の前に止まらせたら、つい数分前の表情は何処に消えたのか。其処には何時もの凛としたアフロディーテの姿があった。
「次は私の番だな。夕食は何が良いかな。」
「夕食限定なのか?」
「別に他にあるのならそれでも良いけど?」
「…次の非番、貴方の時間を頂きたい。」
「それは…デートの誘いと受け取って良いのかな?。」
 こくん、と頷くカミュ。努めて冷静に振る舞っている様だが、時間が経つにつれて顔が赤くなってくる。クールな彼にしては珍しく、自分が言った言葉に照れてしまったらしい。
「じゃあ今度のデート、楽しみにしているよ。」
 敢えてデートという部分を強調してアフロディーテはカミュを煽る。更に顔を赤く染めたカミュに復讐されるまで、あと四秒。

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肌を晒した状態でとろとろに蕩けている水瓶魚を妄想してみよう。
https://shindanmaker.com/124702

水瓶を煽る魚。
魚ちゃんマッサージとかの時に態と「あんっ」とか言いそう←

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