ロキシー ここ最近の双魚宮にはアイアコスの出入りが頻繁であった。 聖戦は終結し三界に平和が訪れたとはいえ、冥界三巨頭に名を連ねるアイアコスにも冥界にて役目というものがある。しかしアイアコスには、ミーノスでいう死者達を裁くことや、ラダマンティスの様に沢山の部下を抱えての職務を全うするということは無いという。己が誇る神速を駆使し各獄の見回り、何かあれば然るべき処理をした後に報告書をあげる簡単な事務仕事があるだけだ……と、先日の晩酌の際にアイアコスからそう聞いている。 簡単とはいうが冥界の機能を維持する上では必要不可欠の仕事には代わり無い。人が見ていない部分を支えることは素晴らしいことだと思っている。それでも、何処か納得が至っていないのか、それきりこのことには話さなくなった。 「今日はまだ帰らなくて良いのかい?家出のガルーダよ。」 「家出をした覚えはない。ちゃんと許可も貰っている。」 「なら良いけど。」 流石に手ぶらで来るのは憚れたのか、アイアコスは土産に果物を持ってくる様になった。出身地の影響もあろうが、大概アイアコスが持ってくる果物は美味であり、あの料理に煩い蟹座も納得する程だ。最近ではアフロディーテも彼の土産を密かに楽しみにしている。 それら果物と常備している摘まみを並べてこれから行われるのは勿論酒宴である。 「今度は負けんぞ?」 「今日は楽しく飲もうじゃないかアイアコス。」 先だっての飲み比べが余程悔しかったらしい。存外子どもっぽいところがあるアイアコスに、アフロディーテは忍び笑う。 ―――――――――――― 完全に飲み友達と化している(笑) 冥界三巨頭の仕事部分は私の想像です。あったら大体こんな感じかなぁ…と← もっと年中組と冥界三巨頭でわちゃわちゃさせたい。 タイトルのロキシーはネパールの地酒です。 |