伊達眼鏡

「ほう、君もこういうの掛けるのだな。」
 テーブルの上に置いて起きっぱなしだった黒縁眼鏡を、アフロディーテの白い手が弄っている。弄るのに飽きたアフロディーテはすっと眼鏡を掛ける。度が入っていない伊達眼鏡だから、変に視力に影響はでないだろう。
「どうだ?」
「似合ってるんじゃないか?」
 元から凄まじい美貌をしているが、眼鏡を掛けると不思議と知的な美しさが際立つ。
「私も今度潜入捜査の任を賜った時に、眼鏡を掛けるとしよう。」
「大丈夫だ。お前に潜入捜査の任は下りん。」
「む、私を見くびるなよシュラ?君に出来て私に出来ぬ訳が無いだろう?」
 そういう意味では無いのだが…とシュラは目元を手のひらで覆った。只でさえ目立つのにアフロディーテのこの美貌で、潜入捜査などまともに出来るとは思えない。潜入というより囮捜査の方が合ってそうだ……なんて。
「ふん。潜入にしろ囮にしろ、任務とあらば完遂するだけだ。」
 それでもむっとしながらアフロディーテは眼鏡の蔓に指を掛ける。外そうとするアフロディーテの手をシュラの手が遮る。
「そのまま掛けてろ。」
「私に眼鏡は要らぬと言わなかったか。」
「いや、あったほうが良い。」
 麗質と合間ってとても似合っていて可愛い…とあくまでも冷静な声色でシュラは言った。
「…堅物の君に口説かれるのも、悪い気はしないな。」
 ふっと妖艶に笑う麗人の唇へシュラは口付けた。

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エピGAの眼鏡シュラくんが好きです。

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