ハーベスト・ゴールド

シエル+ルカ+ミヅキ


 ターミナルで見ていた映像を月並みな言葉だが、まさか自分が生きている内に見れるとは思わなかった。
 青々と繁る木々や草花。吹き抜ける風は清々しくて、聖域から見上げる天上は、いつも見る空よりもとても澄んで見えた。
「前から思ってたのだけれど…シエルってロマンチストですわよね。」
「…うるせぇ…つかルカお前も馬鈴薯の土寄せるの手伝えよ。」
「私は今写真を撮るので忙しいのでお断り致しますわ。」
 カシャカシャと凄まじい勢いでシャッター音を響かせながら聖域の自然を撮るルカを尻目に、シエルはため息一つ溢しながら馬鈴薯の茎に土を盛っていく。
 ブラッド隊のアキラから畑仕事を手伝ってくれないかと頼まれたシエルは、ルカとミヅキを連れて聖域を訪れていた。
 来て早速シエルはアキラと共に馬鈴薯の土寄せの作業を手伝うことになった。しかし畑仕事なんて初めてのシエルは数メートルしか出来ていないのに対し、元から植物栽培で慣れていたアキラは遥か遠くで土寄せをしていた。
「流石アキラは慣れてるな…。」
「鍬を持つシエル……いやー似合ってるよー。イケメンは何をしてもイケメンだねぇ。」
「だあああもううるせぇって!つかお前は何してんだよミヅキ!?」
「カピバラと戯れてますが何か問題でも?」
「ミヅキ、こちら向いて下さいな。」
「はいカピバラも一緒に、チーズ♪」
 カピバラを抱っこしながらミヅキはルカのカメラに撮られていた。
「後でシエルも一枚撮らせて下さいな。」
「土寄せが終わってからな。」
 そう言うがルカは既に何枚もシエルの姿をカメラに収めていた。選りすぐりの写真をアルバムにして遠く欧州地域で頑張るヤマトへ送る……その為にルカは今日たくさんの写真を撮っていたのだ。
「喜んでくれるかしら?」
「喜ぶでしょ、誰よりも望んでた場所が出来たんだからさ。」
「…そうですわね。」
 ルカは再びカメラを取ると、ブラッド隊へとカメラのレンズを向けた。


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