原動力

 ヤマトは最近自室では無くラボに籠る様になった。元はサカキ博士の管轄するラボの一つで、ソーマと同じ様に研究員の道を歩む彼女にも彼女専用のを……という博士の粋な計らいでヤマトはラボを任される様になった。
「ちょっとシエル、寝るんなら自分の部屋で寝なさいよね。」
 休憩室じゃないんだから、と続けながらヤマトはパソコンから目を離さない。いつもそうだ。自分がラボを訪ねると最初は笑顔で迎えてくれるのだが、途中からこんな感じになる。折角逢いに来たんだ。もう少しこっちに気を向けてくれても良いと思うのだが……生真面目な彼女はそれが出来ない。器用でいて存外不器用なのである。
「んもーシエルってば。」
 ソファに寝転がったまま動かないシエルに、ヤマトは起こそうと彼の腕を掴む。刹那、逆に腕を引かれシエルの身体に跨がる形になってしまった。
「…ちょっと何処触ってんのよ。えっち。」
「なあ、ヤろうぜ?」
「いーや。」
「どうせ誰も来ないし良いだろう?」
「〜〜〜そういう問題じゃないでしょ〜!?」
「痛でででッ!?」
 照れ隠しは可愛いが、髪を引っ張るのだけは勘弁して貰いたい。
「夜まで待て! 分かった!?」
「分かった! 分かったから離せって!」
 結局、彼女の言う通り夜までお預けになってしまったが、夜は二人で一緒に居られると思えると午後からも頑張れる気がした。

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常はヤマトが強いけど、夜はシエルが強ry←


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