memo | ナノ
 追記

「私のチームから一人寄越せ?」
 パソコンの画面から顔を上げることなくヤマトはそう答えた。先達相手に失礼な態度を取っていると重々承知しているが、こちらも溜まった任務報告書やら研究実験の報告書の締め切りがギリギリなのである。
絶えずキーボードを叩きまくるヤマトへ、青年はタブレット端末を操作しながら話を続ける。
「そうだ、本来派遣されるべき神機使いが別のところにいくことになってな。」
「事前連絡も無しにいきなりは無いんじゃないの、眞田補佐官。」
 眞田補佐官と呼ばれた青年は、鮮やかな紅い目を伏せ溜め息を一つ溢す。
「……そんなことは百も承知だ。」
「知ってる。」
 彼もまた無理を承知で来たことは、長い付き合い故にヤマトには分かっていた。しかし此方もラボに籠ることが多くなったとはいえ、全線で戦うことの多い自分と、自分のチームのゴッドイーターを遠くヒマラヤ支部へ回すのは此方も辛い事情がある。
「どうにかならんか。」
「そうね……。」
 ヤマトが他の支部へ出向していた時に知り合い、極東へ転属してきた早河スバル、須藤ミソギ、一三クオンら三人を派遣するのは難しい。今や彼女らはチームのサブリーダー的存在で、今こうして自分がいない時に現場を任せているからだ。かと言って入ったばかりの新人も厳しいだろう。クレイドル入隊条件である中尉以上の実力はあっても、クレイドル隊員としての基礎が身に付いていなければ意味がない。
「……あ。」
「いたか。」
「ホムラ、お昼ちゃんと食べた?」
「…………。」
「いったあッ!!?」


2017/05/27 (15:47)


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