丸々と膨れた業の腹

重なるふたつの心臓の鼓動だけが唯一たしかなものであるようにと

アダムは愛をしらないのです

禁断の果実なんて言うまでもなく貴方のくちびるだわ

驟雨はこの頬を伝うなみだの逝き場所を知るか

孤独に死んでいった者たちへ捧げられた鎮魂歌と花束について

軍人、あるいは傭兵として生きる人々に科せられた逃れられぬ宿命(sin)

あの頃のぼくにはただ果ての無い蒼穹へのあこがれだけがあったのだ

この世から絶望が亡くなれば私たちは何を以て幸福とするのだろう

そのまま消失することに対する言い知れぬ抵抗感(だって私はまだ何もしていない、何も成していない)

つつみこむようなやさしさで絞め殺してあげる








驟雨:しゅうう