明日にも忘れられるようなものは要らない
だからもっとあたしを絶望させてよ
それ故おまえは他人を愛せない
今すぐ此の場で手折ってやろう
嫉妬する顔すら綺麗だなんて
ただ一人の愛し子に二物も三物も与えるような天など墜ちてしまえ
その器を限りなく純愛に近い盲愛で満たせ
手始めに首を差し出せ
どうなっても構わないと言うなら拒否してもいいよ
皹みたいに裂けた心の隙間から赤い獣がわたしを凝視している
おまえの無様な涙が大好物だ
いつか 朽ちてしまうと
いうのなら
せめて 今だけでも
美しく 飾って あげよう
皹:あかぎれ