第一回人気投票企画、感謝小説『if〜もしも河合が成瀬に片想いしていたら〜』
第一回綿逆学園人気投票、感謝&記念小説
主人公がちゃんと1位に輝くという喜ばしい結果、どうもありがとうございました。
遅くなりすぎましたが、第一位に輝いた河合の短編小説です。
綿逆学園高等部
if〜もしも河合が成瀬に片想いしていたら〜
届かない恋だと
わかっていながら
どうしても抑えきれなくて
手紙を書いた
こんなにも愛してるって、
あなたに、
今、
伝えたい−…
『ラブレター』
※秘密のお話があります、放課後、屋上へ来て下さいすみません
1年B組 河合総一
ーーーーー
「俺正気かよ!!」
この学園に入学して、2ヶ月とちょっと。
夜中に勢いで書いてしまったラブレターを読み返してうっかり叫んでしまった俺、河合総一。
そら、叫びたくもなるわ。
朝っぱらからこんな手紙を他人様の下駄箱にぶちこみかけていたんだから。
……俺には、好きな人がいる。
3年D組の、成瀬麗緒先輩だ。
成瀬先輩はすごく綺麗で、カッコイイ。
初めて会った時は、絵本の中から王子様が出てきたのかと思った。
…一目惚れしたは良いものの、すぐに友人の村上から、成瀬先輩は学園の有名人で、親衛隊まである神のような存在だと聞かされた。
もともと気持ちを伝える勇気なんか無かったし、俺みたいな没個性の塊が相手にされるわけないと思っていたのだけれど、昨日夜中に突然すごいテンションに突入してうっかり気持ちだけでも伝えちゃえばよかろうもん!みたいな気分になって、ほんとうっかりこんな手紙を書いてしまったわけだ。
そして、夜が明けた今、冷静になったわけだ。
深呼吸して、もう一度手紙を読み返してみる。
………うん、何度読んでも、正気の沙汰とは思えない出来栄えの手紙だ。
本当に危なかった。
危機一髪としか言いようが無い。
俺は微笑みを浮かべながら、手紙をグッシャグシャに丸めてさらにそれをもう一度綺麗に伸ばして、今度はビリッビリに破いてから再びグッシャグシャに丸めてごみ箱にインした。
「危なかった…ていうか俺うっかりマジでホモになるとこだった…いやいやそうだよ危ねえホンット危ねえわマジで色んな意味で危なかった!」
何だか色々と目が醒めた俺は、普通に着替えて普通に学校へ向かった。
…この日、俺の平凡な日常が、大変な事になるかもしれなかった事なんて、口が裂けても誰にも言えない。
綿逆学園高等部 完!
ーーーーー
あとがき
せっかく第一位に河合が輝いたので、いつもと違う河合を書きたいと思いパラレルめいた感じにしてみたのですが、本編以上にいつもの河合になりました。
しかもすごくきちんと完結しました。
企画に参加して下さった方々、本当にどうもありがとうございました。
- 1 -
[*前] | [次#]
ページ: