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呆然と立ち尽くす俺と、その俺の背中にしがみついてロマンティックが止まらない隊長。

何なんだよ…何なんだよマジで!ドラマみたいな展開だけど急展開すぎて…ていうかもう…いやもうほんと何が起こってるんだよ!この人俺の何なんだよ!
ちょ、もうマジで勘弁して欲しい何だよこれイジメか!

「え、ええと…何をおっしゃっているのか、その…ちょっと良く解らなくてすみませんホント…!」

「…ぐすっ…」

背中越しに、隊長が鼻をすするのが聞こえた。
え、まさか、な、泣いてる…!?
俺が驚いて振り返ると、涙を流しながらも上目遣いで俺を見詰めるてくる美少女…じゃない、隊長が居て…

…不覚にもキュンとした…

ってうおお違う違う!俺どうした!雰囲気に飲み込まれるな!色々あって疲れちゃったか!まあ疲れてるけども!
…まあ、男だってわかってても一見女の子だし、えげつない性格だってわかってても、こんな可愛い人に上目遣いとかされたら誰でも一瞬ドキッとするよな?え、するよな??
いや、ていうかまず、この人何で泣いてんだよちくしょう!

…でもとりあえず、泣き止ませなきゃ。
何て言っていいかわかんないけどとりあえず泣き止ませなきゃ!

「えっと、泣かないで下さいほんとすみません…」

なんで何も悪いことしてないのに俺が謝ってるんだろうと思ったけど、俺のワンパターンな脳みそでは謝る以外に方法が思いつかない。

「…そんな謝んなよ、僕も悪いんだから…」

僕もって何だよ「も」って。俺は悪くないわ!全面的にあんたが悪いわ!…それでも俺は謝るしかない。
とにかく穏便にこの場を切り抜けるにはもう謝るしかない!

「…ええと…いやいや、それでもなんかすみません…!本当に申し訳ございませんでした!ごめんなさい!」

とにかく平謝りをしていると、隊長は涙を拭いながら呆れたように笑った。
ああ、やっぱりこの人、顔はすごい可愛いな…。
天は二物を与えないって本当なんだなあとか、すげえ失礼な事を考えながらもとにかく謝り倒していた時、隊長が口を開いた。

「謝るんじゃなくてさ…両想いになれたんだから、喜びなよ」
「ですよね、ほんとにすみませ…ん?」

……両想い?
whyが弾けた。

「え、え?何…どういう事…ですか?」

わけも解らず俺がキョトンとしていると、隊長はもっとキョトンとして

「わかんない奴だな…麗緒様の事が好きじゃないって事は、僕の事が好きって事でしょ?…僕はその気持ちに応えたいって事!言わせんな馬鹿!」




whyが…弾けた…


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