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ちょ、ちょっと一旦落ち着こう。
俺はあれか、3階から飛び降りて下にあった花壇に奇跡的に綺麗にめりこんで助かって、その後隊長に生き埋めにされてしばらく土の中に…!?
え、えええ、

俺死にかけたうえに普通に殺されかけてんじゃねーかこれ落ち着いてられっかあああ!!

俺の混乱をよそに、隊長はどこかスッキリした様な表情を浮かべ、そのまま照れたように続けた。

「…あんたってさ、不思議な奴だよね。平凡だし挙動不審だし残念だけど、生命力強くて…僕、ちょっとだけだけどさ、あんたの事…素敵だなって思った…生命力強い男っていいよね…」

隊長は頬を赤らめながら、俺の手にその小さな手を乗せ、さらに優しく握りしめ…って




は?


いやいや…うん、なんていうか






………は???



な、なんか、とんでもない方向にまた話が進んでる気がする。
この隊長の態度と言動、なんかおかしくないか!?
いやおかしい!この人今朝俺にボロカス暴言吐いてメテオプラズマ拳ぶち込んできた人だよね!
そんで更に俺の事普通に殺しかけてたんだよね!?えっ!?マジでなにこの状況!
てか、生命力って何だよ何か怖ぇよ!

俺が状況を飲み込めず焦っていると、隊長はハッとした表情を浮かべ、勝手に握っていた俺の手をすごい勢いでふりほどく

「てっ、てめぇ何急に手ぇ握ってきてんだよっ勘違いすんなよ僕が好きなのは麗緒様なんだからな!ホント勘違いすんなよ死ね!マジで苦しんで死ね!」

え、えええええそっちが勝手に握ってきたんだろー!
俺なんもしてないよ思考回路がお洒落すぎるだろ!
またすげえ口悪いし!てか俺さっきまで死にかけてた!あんたのせいでマジで苦しんで死にかけてた!

…と、とにかく、もうこの人に対して俺が出来る事はひとつしかない。
色々ツッコミたい所はあるけれど、正直もう関わりたくないというのが本音だ。
ここはもう、ちゃんと、ちゃんとしよう。
ちゃんとするってすごいフワッとしてるけどもう、色々ちゃんとするしかない。

「…ああああの、何か色々ありつつも結局助けて下さってありがとうございました!あの、隊長が成瀬さんの事を好きだという気持ちはとても良く伝わりました大丈夫です!もう解って頂けてると思いますけど、俺は成瀬さんの事ほんとに何とも思っていないので、隊長と成瀬さんが幸せになるようにマジで心の底から願ってます!それでは!ありがとうございました!」

い、言えた!すげえちゃんと言えた!
よし、後はこの部屋を出て、とりあえず部屋に帰ろう。
そんで汚れた制服を洗濯して、とにかく風呂に入るんだ。
なんだか清々しい気持ちになって来た。
ベッドから降りて立ち上がってみると、少し身体が痛んだが動けない程じゃない。
丈夫に産んでくれた両親に感謝だ。最後に隊長にぺこりと頭を軽く下げ、部屋を出ようとした、その時。

背中に、どんっと衝撃が走り、


「…なんで帰るんだよっ…僕が麗緒様の所に行ってもいいのっ…!?」


「…僕の事っ…もっと…ちゃんとつなぎ止めてろよっ」



……ちっくしょおおおお知らん間にまた変な事になったああああああああ…!


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