小澤君
「河合君、おはよーう!」
「あ、おはよう」
教員室で鍵を貰い、教室に向かって廊下を歩いていると、クラスメイトであり今日の日直の片割れでもある、小澤君が笑顔で駆け寄って来た。
小澤君は、男の俺から見てもとても可愛い男の子。
小柄で、栗色でサラサラの髪に、ぱっちりとした目で、いつもニコニコと笑っていて、誰にでも優しい小澤君はうちのクラスを始め学年のアイドル的存在だ。
なんとファンクラブ的なものまであるらしい。
異常かもしれないけど、この学校みたいな小中高一貫の全寮制男子校で育った生徒達にとっては、これは仕方ない事なんだとか。
学園中の殆どの人間がホモで、ノーマルな方が珍しいのだと、友人に教えてもらった時はビックリしたなあ…。
ちなみに俺は高等部からの編入なので、至って普通です。
…他人の恋愛に偏見は持っていないけど、自分が男を好きになる事は無いと思う。
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