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「そんでてめぇ、ちょっとツラ貸せや」
俺に状況を把握させる隙を一切与えないまま、美少女、いや美男子、いや女装癖、いやいや流石に俺失礼だわ!…嵐先輩、馴れ馴れしいか。親衛隊長…これでいこう!親衛隊長が高飛車に言い放つ。
「何ボヤッとしてやがんだこのゴミ虫が。着いて来いボケ」
ちょ、口悪すぎるだろ…!
ゴミ虫って俺の事!?良くわかんねーけど絶対行きたくない!
…なんとかしないと。
「や、ちょっと、今日、便所掃除の当番なんで…」
「は?テメーに拒否権なんて無ぇんだよ。てめぇボッコボコにしてルビーって呼ぶぞ」
ええええ怖ええ!
っていうかルビーって何だよ!
え、ボッコボコ→血みどろ→赤い→ルビーって事!?
わかりにくいしコードネームみたいになっちゃってるよ!
一瞬悪口とは思えないところに陰湿さが見え隠れしてるよ!
っていうか結局宝石好きかよ!
「…い、行きます…」
ビビりすぎて小声になってしまった俺の言葉をフンと鼻で笑いながら、親衛隊長が俺の手を強引に引いて歩き出す。
これが、女の子だったらどれほど嬉しかっただろうか…
しかし、これは男。
しかも超狂暴で、あの変人の親衛隊の隊長なのだ。
世の中どうかしている。
そんな事を考えているうちに、いつの間にか裏庭に連れて来られてしまっていた。
裏庭って、もう、これ本当に俺ボッコボコにされるんじゃないかなああ!?
男といえどこんな可愛い子にボコボコにされるなんて…あああそういう趣味の人だったら逆に喜びそうだなこれ変わってあげましょうかそういう趣味の人!!
「…で、テメーどうやって麗緒様に取り入った?」
親衛隊長がぎろりと俺を睨みながら言った。恐い、恐いけどやっぱり可愛い、けど恐い!
「無視とは度胸あんな?ハトの死骸みてーなツラしやがってマジで死ね必殺技かけんぞ」
ハトの死骸!?必殺技!?
「ああああの、必殺技ってどんな…」
「………あぁ?」
ああやっべ、緊張しすぎて一番恥ずかしい所突っ込んじゃった!どうしよこれ怒られる!
もうこれ謝るしかない謝り倒して逃げるしかない!
「ほんと!すみませんでし…」
「メテオプラズマ拳。…喰らったら絶対死ぬ。一撃必殺技。」
あああ答えてくれちゃったー!
しかも中二病っぽいー!!!
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