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よっす、俺、河合!河合総一!元気な高校1年生!
この綿逆学園に入学して二ヶ月とちょっと!
だから、まだまだこの学園の事が全然わかんねぇんだ!
今、俺は自分の部屋で今朝出会ったばかりの男とキッスしちまった!これってこの学園じゃ普通なのかな!?まっ何でもいいか!よ〜っし今日も張り切っていくぜ!
せ〜のっ

綿逆学園高等部!!

「ってこれも違うわああ!!!」

絶叫とともに我に返った俺は、紅茶を零さないよう慎重かつ迅速に変人との距離を取る。
え、え、今、俺に何が起こったのだろうか。
いや、わかってる。キスされた。俺の…ファースト…キス…!

「あ、あああんた何すんだ!」

状況を把握すればするほど泣きたくなって来た…

「何って、誓いのキスだよ…?」

変人が驚いたような顔でほざく。えええ何お前がビックリしてんだ!そんで俺とお前が何を誓うんだよちくしょー!

「だ、だから、何でキスなんか…」

混乱気味の俺がしどろもどろになりながらも言うと、何を思ったか変人はにこりと笑った。
今笑うとこじゃないんだけどな。
そして、そのままゆっくりと話し始める。


「…僕の名前の由来はね…」



ええええ何の話!?!?
名前の由来!?
それどうでもいいです!
えっ、えっええ!?ていうか何いきなり!
どうすりゃいいんだろうか…これ一応黙って聞いといた方がいいのか?それともツッコむべきか?


…考えているうちにツッコむタイミングをやっぱり逃してしまった俺は、どうする事も出来ず黙り込んでしまう。
すると変人は満足げに頷いた。
あああ、俺は今からこいつの名前の由来を聞かされてしまうのか…こんな状況で。最悪だ。
…こんなナルシストに育つくらいだから、名前の由来も親が本気出してそうで怖いな。
難しい神話の話とか折り込まれてきたらどうしよう。
とりあえず何言われても「へ〜そうですか」とか言っとくか…。


「……僕が産まれた時、母は心底驚いたそうだ。…そう、あまりに麗しいヘソの緒に。それで麗緒という名前になったんだよ」

「へ〜そうで…えええええええ」

あああ由来すげえええええ!
予想以上、いやこれは予想外すぎるだろ!ええええシンプルすぎるだろ!いやシンプルっていうか、麗しいヘソの緒って何なんだよ!こいつサラブレッドだった!
親から変人だった!!

…しかも結局どうでもいい!!

「僕はこの名に恥じない生き方をしたい。…わかるね?」

わかんねえし何その諭すような言い方すげえ腹立つよ…そんでキスの件はどうなったんだよ…

「…僕は君の麗しいヘソの緒の様な存在になりたい。今のキスはそういう意味だよ」

あああキスの件覚えてた…すごい切り口の説明だったなそして結局意味わからん!


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