放課後


…なんだかんだであっという間に放課後がやって来た。
終礼が終わると小澤君が俺の所にやって来て、一緒に日誌を書き始める。

結局午後の授業もずっと寝ていた村上は「寝過ぎて逆にどんどん眠くなって来たから寮に戻ってすぐ寝るわ。俺多分すげえ疲れてるんだろうな、かわいそうにな」等とわけのわからない事を言い残して早々に帰って行った。
本当に気持ち悪くて可哀相な奴だ。

「よし、書けた。ほんじゃ俺これ担任とこ届けて、ついでにじいさんに怒られて来るわ」
「僕も一緒に行く」
「小澤君は部活あるんだろ?俺一人で大丈夫。」

小澤君は美術部に入っていて、夏にコンクールだか何だかがあるらしくそれに向けて頑張っているらしい。偉い。村上とは大違いだ。

「でも、僕も日直だよ」
「真面目か!いいから部活頑張っておいで」

ぽんぽんと小澤君の頭を軽く撫でながら俺が言うと、小澤君は照れたのか顔を赤くしながらエヘヘと笑って、いきなり立ち上がると何故か右手でピースを作り、さらにそれを天井にかざした。

「僕、頑張る!!絶対に夏のコンクールで賞取る!!」

「う、うん。応援してるよ…」

いきなりよく分からないポーズと共に大声で宣言されて、どうしていいのかわからずつい普通に応援してしまったが、小澤君は一体どういうつもりでこんな奇行に走ったのだろうか。

…ツッコミたい。

でも確実にタイミングを逃してしまった。今からでも間に合うだろうか。っていうかそのポーズなんだよ!くらいならまだ間に合いそうだ、そう決意して口を開いた瞬間、小澤君は「よーし!頑張るぞぅ!あとで晩御飯一緒に食べようね!」と叫んで勢い良く部室に走って行ってしまった。

「………」

一人残された俺は、とりあえず荷物をゆっくりとまとめて、さらにゆっくりと教室を出て、きょろきょろと廊下を見渡して誰も居ない事を確認すると大きく息を吸って


「あのポーズ何なんだよ!!」


大声で叫んだ。
ああスッキリした…そして何事も無かったかのように、教員室へと向かった。


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