其ノ弐
僕は不幸にも、この世界をそれなりに愛していた。
だからこの世界に絶望した。
そして、愛した人がより一層愛しくなった。愛しくて愛しくて、狂ってしまいそうだった。
可愛い仕草も、僕に苛立つその言葉も何もかも、愛しくて愛しくて、狂ってしまいたかった。
愛する人を灰と骨になんかにしたくなくて、愛することが怖くて仕方なくて狂ってしまった。
愛することが怖くて、怖いものが憎かった。
この世界が愛で溢れていると言うのなら、その愛は間違いなく恐怖で、その恐怖は最も憎むべき感情である、そうとしか考えられなくなっていた。
僕は案外簡単に狂ってしまい、壊れてしまった。
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