其ノ壱

ふと気が付いたのです。

隣で笑う貴女や、僕を愛して僕が愛している人たちが、今すぐにでも居亡くなってしまう現実に。


温かくふっくらと臼桃色した貴女の頬が、冷たい土色になること。

僕より大きく、僕を抱き締めてくれた母があまりにもか細く、頼りなくなってそう遠くない未来、骨になること。




誰もが皆、いずれは骨と灰になること。





気づいてしまえばもう、愛することが恐怖になっていたのです。

[ 1/5 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



nanoへのご支援
- ナノ -