女装少年。
暗闇プレイ

(8/8)

「…乙女か」

見事に決まった一人ツッコミ。
たった一言のそれに苦笑って思考をめぐらせる。

誰かを守らなきゃって、ずっとそう思っていた。
その誰かは可愛い女の子に限られていて、亮とこうなるまではそれ以外に恋愛に関する感情を知らなかった。

亮に抱かれていると安心する。
亮の逞しい腕に守られているようで。
その腕と亮の存在が頼もしくて、俺は安心して自分の身体を亮に預ける。

「はあ…んっ」

亮の身体は特別で、俺に安心感と一緒に泣きたくなるような快感もくれる。

いつの間にか本格的に始めた行為に俺は溺れた。
亮と付き合うようになってから、性器になってしまったそこに手を伸ばす。

「ゃぁっ…」

湯上がりだからかまだ柔らかいそこは、難無く指を迎え入れた。
中指を一本、ぐちぐちと音をたてながら、そこを拡げるように指を動かしていく。

「んはあっ!」

その指に人差し指を添えて、今度は二本の指で中をほぐしていく。
二本の指を別々に動かせば、アナルがくぱぁと簡単に口を開けた。


その指にもう一本、薬指を足そうと思ったその時、

「……っっ」

軽い痛みに襲われた。
どうやら滲み出た腸液では潤滑剤にはならないようで、ベッドの下に隠したワセリンを手に取った。

この場所も、元々は前での自慰のためのアイテムを隠しておく場所だった。
それにいつしかアナルを拡張するためのアイテムが加わり、アダルティーなDVDソフトの類も後ろを虐める類の物が増えてきた。

相変わらず、おかずになるのは女の人の身体だけど、女性向けのゲイビも少しだけ持っている。
そのDVDのタチ男優が亮に似ていて、思わず見つけたその場で買ってしまった。

オンラインだけにしとけばいいのに、俺は結構、紙媒体やDVDの類にも弱い。

「う…んっ」

ワセリンを束ねた三本の指に丹念に塗り込んで、その指でまだ暖かいアナルをほじる。
ぐにぐにと入口を拡張させるその動きは、いつの間にかとある一点を押し潰すような行為に変わっていた。

「亮ぁ…そ、そこぉ!気持ちいいよっっ」

ああ、何やってんだと自己嫌悪。
だけど、指の動きは止められない。



結局、その夜は身体の疼きが収まるまでその行為は続き、疲れ果てた深夜すぎにようやく眠りに着いた。


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