女装少年。
暗闇プレイ

(6/8)

男って、本当にどうしようもない生き物だ。
一人ではする気にならないなんてカッコつけたくせに、無意識に気持ちのいい場所を探している俺。

「…んっ、んんっ」

しようがないじゃん。
男はそこに、ケツん中に性感帯があるんだから。

女子にはない前立腺と呼ばれるその場所を刺激されると、気が狂いそうになるくらい気持ちがいいんだよ。

「…あっ、ひっ」

爪がちょっと伸びてるのかも知れない。
だからか、軽く引っ掻いただけで堪らない。

こんなの、一回、知ってしまったら、もう後には引けない。



「…あっ、ああっ」

亮を好きになってなかったら、一生、知ることはなかった。
でも知ってしまった。
男ってほんと、快楽に弱い生き物で、そこを刺激し続ける手の動きはもう止まらない。

まあ、さ。
女子とは違い、男の場合は、突っ込まれる時に屈辱を感じるし、痛みや怪我を伴うこともある。
それくらいのメリットがなきゃ突っ込まれる側、いわゆる女役なんてやってられない。

「…んっっ、んふっ」

しかも、まだまだ初心者マークつきのひよっこのくせに、いっちょ前にそこで感じてしまうんだよな俺ってば。

「…んんっ、アキ、っっ!」

それもこれも、そこばっかを突いてくる亮のせいだと心の中で悪態をついて、入口を柔らかくして亮のを挿れやすくするための作業を続けた。




作業に没頭すること数十分後、

「……はあ」

一連の作業を終えて、出しっぱになっていたシャワーを止める。
冷水を頭から浴び続けていたわりに火照る体に、自虐的に苦笑い、風呂を出た。

「…………」

ちょっとした自己嫌悪。
さっきまで亮としてからもう一人でする気にはならないなんて、尤(もっと)もらしいことを言っていたくせに。

これは自慰行為じゃなくて自分を守る(挿入時に怪我や苦痛を伴わない)ための自己防衛行為なんだと無理矢理、理由づけて、わけのわからない後ろめたさをごまかした。



髪をタオルで簡単に乾かしながら、風呂場を後にして自室に向かう。

「なんだ、遥。おまえまだ風呂に入ってたのか」

途中、いつの間に帰って来たのか、俺を呼び止めた父さんにそんなことを言われた。

「あ、おかえり。帰ってたんだ」

その言葉に内心、ぎくりと反応しながらも、表向きには平静を装って笑い返す。


夕食は食べたかと父さんに聞かれたけど、何故だか父さんの顔を見れなくて、亮の家で食べてきたことにして自室に引き込んだ。


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