女装少年。
暗闇プレイ

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とうとう捨ててしまった。
普通に暮らしている健全な男子なら、一生、捨てるはずのないものを。
思春期の健全な男子が早く捨ててしまいたがるものなら、まだ大事に取ってあると言うのに、人生とは何が起こるのか本当にわからない。

「おいこら、暑い。くっつくな」

いつものように亮の部屋でゲーム三昧な毎日。
大事なものを捨てたあの日から、また昔のように亮と頻繁に遊ぶようになった。

つか、毎日?

学校が違う亮はわざわざ授業が終わると俺の学校まで迎えに来やがって、それからいったん自分ちじゃなくて亮の家に連行される。
それからあれやこれやといろんなことをして遊んで、門限ぎりぎりに帰宅するのが日課になってしまった。



「こら。くっつくなってば」
「いいじゃん別に」
「あっついんだって」

あの日、しっかり亮が下準備をしてくれていたからか、目に見える怪我は負わずに済んだ。
ただ、初心者にあれは無理が祟ったようで、二三日は椅子に座るのも辛くて、ベッドから起き上がるのが億劫になるぐらいの腰痛にも襲われたけど。

亮はしれっと初めてだなんてぬかしやがったくせに、本当はしっかり経験済みだったし。


亮が『初めて』だと言ったのは、その行為そのもののことじゃなく、その行為を『男とするのは』初めてだと言うことだった。
つまりは電車の中での痴漢ごっこは、今までに何人もいた元カノやセフレと経験済みで、しかも、アナルセ……、えーと。
後ろを使ったエッチも経験済みだったらしい。

「本当は、すんなり挿入できるまで専用の道具で拡張した方がよかったんだけどさ」

我慢できなくてなんてぬかしながらにへら笑うから、鉄拳を一発、顔面にお見舞いしておいた。



まあ、さ。
よくよく考えてみれば、その経験があったおかげで俺も大事に至らなくて済んだんだし、結果オーライってとこなんだろうけど。
考えて見ればアナ……、その、後ろを使うセックスも少々、マニアックではあるけれど、男女間でも有り得る行為ではある。

それが男同士でとなるとちょっとアレなんだろうけど、男子はそこを持ってないんだから仕方ない。

なければ入れなきゃいいんだろうけど。
男というものは、代わりになる場所があれば、そこに入れたくなる生き物らしい。


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