女装少年。
罰ゲーム(前半戦)

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…うそだろ。

「う、ああ……」

あんなものが入るはずなんてないと思っていた。

なのに、水を溜めておくタンクにしっかり掴まって突き出した尻。
その尻に、まさに今、亮の腰がぴったり張り付いている。

「ねえ、遥ちゃん。気持ちいい?」
「き、聞くなあ……っ」

亮が体を軽く揺するたび、ナカが擦れてなんとも言えない感覚に襲われる。

「…んんっ!」

決して亮の言うように気持ちのいいものじゃない。
だけど、思ったよりも不快なものでもない。

初めての感覚に頭の奥が痺れて、上手く考えがまとまらない。

どうしてこんなことになってしまったんだろう。
俺はただ、ゲームに負けた罰を受けていただけのはずなのに。

「なあってば。気持ちいいかって聞いてんの」

そう言いながら深く奥を刳られて、

「…ああっ」

思わず声が漏れた。







女装少年。


きっかけはほんの些細なことだった。
いつものように、亮の部屋でゲームに明け暮れていた日曜日。

テレビの画面とコントローラーから顔と手を放さないで、亮が言った。

「なあハル。お前、これで負けたら何敗目だっけ?」
「…うっ」

亮と俺とは幼なじみで、小さな頃からこうやって暇さえあればゲームをしている仲だ。
さすがに中学、高校生になってその回数は激減したけど、子供の頃から累積回数だけは律儀に数えていたりする。

「…500敗目」
「なに。聞こえなーい」
「500敗目だっつってんの!」

思えば、亮とゲームをするようになって10年以上の年月が過ぎ、その間には一日に10回ぐらい勝負していた時もあった。
それで俺の敗戦数が500回、目前にまで迫ったんだけど、よくぞここまで細かく覚えていたもんだと自分たちを褒めてやりたい。

どんなゲームをしても亮にはなかなか敵わない。
大敗している俺が亮に勝ったのは641回対戦した中で、141回しかない。

今日、負ければ500敗目を期することから、これはなんとしてでも勝たなきゃ、そう意気込むも、いつものようにびっくりするほどあっさり負けてしまった。

「ということで罰ゲームけってーい!」
「げっ」

…ちっ、覚えてやがったか。

あんな昔の約束、とっくに忘れてしまったと思っていたのに。


ことの発端は、俺の負けた数が400回に達した時だった。
今から何年前だったか、まだ俺たちが小学生の頃だったように思う。

「やーりー、400勝目。つか、ハル。弱すぎじゃね?」
「うっさいっ。今日は調子が悪かっただけだ!」
「それさ。毎回言ってない?」
「…うっ」


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