女装少年。
罰ゲーム(後半戦)

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少しだけお互いのモノを弄りあって、少しだけ気持ち良くなってから離れた。
他の観覧車から覗ける位置まで地面に下りた時には、なんとか向かい合わせに座り直し。

「お疲れ様でした」

にこやかに笑うスタッフのお兄さんとのやり取りもそこそこに、観覧車から下りて足早にその場から離れる。
おそらくは気のせいだろうけど、俺たちが乗っていた観覧車の中に、独特なあのにおいが立ち込めたような気がしたから。

慌てふためいてその場を逃げるように後にしながら、亮と顔を見合わせて苦笑った。



辺りはもうすっかり闇に包まれ、園内の至る所にちょっとしたイルミネーションライトが点っている。
子供の頃は観覧車を最後に帰ったが、この遊園地は一応、夜間営業もやっている。

観覧車の中で、いちゃこらしちゃったバカップルな俺たち。
亮が俺の手で亮のを握らせたから、そのまま少しだけ強く握ってやった。

「…やばかった」
「なにが」
「遥の手。気持ち良すぎて観覧車の中でイクかと思った」
「ばっ」

心なしか前屈みの亮がそんなことを言って笑う。
決して本気を出したわけじゃないんだけど、どうやらそれなりに気持ち良かったらしい。

「それよりこれどうする?」
「どうするって……」

こうなった時の対処法を俺は一つしか知らない。

「トイレででも抜くか」

溜め息混じりにそう言っても、亮から返事はない。
それでもその時の俺は、そのことを特に気にしはしなかった。



俺は姫ちゃんから手渡されたバッグでそこを隠し、亮は少し前屈みのままでトイレに向かう。
その様子が可笑しくて思わず笑いそうになったけど、亮が真剣な顔をしてたから笑うのはやめにした。

ひとまず昼食をとった食堂にまで戻り、その店に隣接されているトイレへと向かう。
入口で男女どちらのトイレに入ろうか少し悩んだが、格好が格好だけに誰か会った時のために女子トイレに入ることにした。

…んだけど。

「遥こっち」
「え、あ。ちょ、アキ!」

女子トイレに足を踏み入れた瞬間、亮に強く腕を引かれる。
そのまま男子トイレの個室に押し込まれて、亮は後ろ手に個室の鍵をかけた。

そのまま右手首を掴まれ、再び電車の中やお化け屋敷の中でのように壁に押し付けらる。

「――っっ」

そんな風にまた声を奪われたけど、俺は自分の現状を把握しきれなかった。


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