女装少年。
罰ゲーム(前半戦)

(10/14)

「ちょ、アキ……」「しっ、黙って」

待て待て待てーい!
おまっ、どこ触ってんだよ!

俺が亮を拒否できないことをいいことに、亮が俺の腰をぐんと引き寄せた。
膝丈のワンピースをめくり上げて、さわさわと尻を触ってくる。

その手がだんだん尻を揉み始めて、反対の手が前に回って、俺のを下着越しにぎゅっと掴んだ。

「…や、やめっ」

なんとかやめてもらおうとしたけど、亮はやめてはくれなかった。
耳元で『ハルに拒否権はないよ』と囁かれて、そこ(耳裏)をぺろりと舐められる。

声を出そうにも出せないし、何より女装していることを周りに知られるわけにはいかない。
おまけに、俺の体をまさぐってるのは悲しいかな、俺をよく知る同性の幼なじみだ。

「…あ、あきっ」

ふざけるにもほどがある。
そう、抗議しようとしたけど。

いつもは上向きに納めるそれは、内股に隠すように下向きに収納してある。
それは上向きだと先っぽがはみ出てしまうからなんだけど、それを亮のやつは布地越しに揉みしだく。

「…やっ」

思わず、ヘンな声を出しちゃったじゃんか。

「んっ……、はあっ」

息遣いも荒くなる。
モテるお前はこんなことも経験済みかも知れないけど、平々凡々な俺には初体験だっつーの。

こんなこと、初体験にしては刺激が強すぎる。
小さな布地に無理矢理、納めてあるそれが窮屈で、亮が触るたびに苦しくなる。


次の瞬間、

「…ばっっ!」

い、い、いま絶対、ぶるんって音がした!

なんと、調子に乗った亮が、パン……、あ、いや。
下着を足の付け根くらいまで引き下ろしたやがった。

お陰で苦しいくらいの圧迫感はなくなったけど、俺は尻まる出しの、おっ勃てたナニもまる出しの恥ずかしい姿になってるはずだ。

まあそれはワンピースの裾に隠されてるし、俺の姿は見えないはずだけど。

いつの間にか俺は壁に背中を押し付けるように隅っこに追いやられ、ポールを握った亮の懐(ふところ)に抱き入れられている。

向こうからは亮の体に隠されて、亮の背中しか見えていないはずだ。
それでも、すぐ隣に座ってるバーコードなオヤジが気づいたのかどうだか、俺たちの顔を訝しげに交互に見比べてくる。

「遥ちゃん。こっち」

それに気づいた亮は俺の下着を引き上げて、俺をそこから連れ出した。


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