SEX,SCHOOL&ROCK'N'-ROLL
伝えきれないラブソング

(5/5)

「……え?」
「ん?」

ちょっと待って。
慧、今なんて言った?

「…恋人同士?」
「うん」
「え、慧と俺が?」
「そうだよ」

思ってもみない展開に目が眩んだ。

「え、だって……」
「付き合ってって言ったじゃん」
「だってあれは……」

ジングルに付き合ってって意味じゃないの?
そう聞いたら、慧は少し困ったような顔をした。

「だからか」
「え、何が?」
「弓弦、デートしてるのに浮かない顔してるから」
「…デート」
「そ。初デート」

慧の言ってる意味がよくわからない。
俺の独りよがりだったんじゃないの?

どうやら口に出さずとも顔に出ていたようで、慧は右腕で俺の肩を抱き寄せると、真正面から俺を抱きしめ、うなじに顔を埋めた。


どうしよう。
全身が心臓になっちゃった気がする。
ドキドキが止まらなくて、口からいけない何かが出てしまいそうだ。

「間違えた」
「え」
「告白する台詞」

もう一度言わせてと言った慧の言葉に頷くと、

「弓弦、好きだ。俺と付き合って」

仕切り直しだとばかりに、俺が一番聞きたかった一言を聞かせてくれた。



「弓弦…」
「あ、ふぁ…」

再開したキスに頭の芯が痺れる。
全身を甘くて深いキスに溶かされて、体に力が入らない。

「弓弦は?」
「ほえ?」
「弓弦は俺のことどう思ってんの?」

そう聞かれて、そう言えば俺もちゃんとした返事をしてなかったことに気が付いた。

「俺も慧が好き」
「よかった」
「慧と付き合いたい」
「うん」

思いが通じ合う前に始めたキス。
お互いの気持ちを知った今は、尚更止まらない。

「慧、慧、大好き」
「うん。俺も好きだよ」

やばい。
キスってこんなに気持ち良かったっけ。
お互いにきつく抱き合ったまま、何度も交わすキスが止まらない。


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