幼なじみプレイ
腐男子プレイ

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壱人と壱人の元カノ、そして俺。
俺は一応、壱人の今の恋人だけど、傍目には単なる壱人の幼なじみに見られているんだろう。

だからこそ、学校でも壱人と一緒にいられるんだけど、少し淋しく感じるのも事実。
壱人が俺の目の前で手紙を渡されたり、告られたりするのも日常茶飯事で、悲しいかな、その状況にもすっかり慣れてしまった。

俺の目の前で手紙を突き返したり、付き合ってくださいな申し出を断ったり、瞬時に一刀両断する壱人を見て、告ってきた女の子を気の毒に思うこともある。

もしも、壱人に恋人がいることがわかったら、少なくとも壱人に告白してフラれる女の子も減ることになる。
それもあって、俺が壱人の恋人だって声を大にして言いたいけど、言えないことがまた悲しかった。


「…どうしたの。泉ちん?」

あ。いかんいかん。つい。

「ん。いや、よく喋るなって思って」

笑ってごまかした。

今でもたまにこんな風にナーバスになる時がある。
今は壱人と付き合い始めて、こんなにも幸せで楽しい毎日を送っているのに。

その時、真ん中の結木さんを越えて伸びてきた壱人の手が、俺の後頭部を撫でた。
後ろ髪に指を絡めて、優しいけど少し乱暴にぐしゃぐしゃって。

ああ、やばい。この手には弱い。
大事にされているのがわかるから、なぜだか泣きたくなる。

再び笑顔が戻った結木さんにホッとして、結木さんを挟んだ後ろで壱人と手を繋いだ。
もちろん、後ろに誰もいないことを確かめて。

自信を持っていいんだって壱人に言われているようで、まあ、実際にいつも言われてるんだけど。
けど、影が薄いのは相変わらずだから、たまにちょっとだけこうなるのは許して欲しい。

南高校前のバス停からは都心に向けて直通バスが出ていて、結木さんたち利用者は都心から電車に乗り換えて帰宅する生徒が大半だ。

「あれ、お揃いで」

到着したバス停でそんな声が聞こえてよく目を懲らすと、今、一番会いたくないやつらがこちらに視線を向けて笑っていた。


「あれ、おまえらもバス?」
「なんだよ今更。前からそうだっつの」

思わず壱人と結木さんの後ろに隠れてしまう。
いや、ばれることはないだろうけど。

「それよりおまえら復活したの?」
「まさか。新見くんにはあんな可愛い彼女がいるのに」
「なに。結木も知ってんの?」
「もちろん」
「なんだ。単なる浮気か」

えーと、結木さん。
余計なことは言わないように。
その彼女ってば、女装した俺なんだから。

二人は女装した俺の写メを見て、すっかりそれが、壱人の彼女だと思い込んでいる。

Bkm

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