腐男子プレイ
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おそらくは、女の子の方が想像力が豊かなんだと思う。
ベーコンレタス的に言うと妄想力が。
結木さんは俺と橋本を頭の中で掛け算して、うっかりフラグが立ってしまったんだろう。
どっちが右側かは考えなくてもわかるから、考えたくもないけど。
それから程なくして休み時間は終わったけど、橋本は、しばらく帰って来なかった。
そんなこんなで慌ただしい放課後を迎え、
「泉」
壱人が迎えに来たから席を立つ。
一瞬、シンと静まり返っていた教室も、今は、一瞬、ざわめくだけだ。
壱人と別れた結木さんと俺が付き合い始めたって馬鹿げた噂も、今はすっかりなりを潜(ひそ)め、俺と壱人が幼なじみだってことを知った女子から話し掛けられたりするぐらいに平穏な日常が戻って来た。
「橋本。今から部活か。がんばれよ」
余裕たっぷりな壱人のその言い方が気に食わなかったのかどうだか、橋本は一瞬、壱人を軽く睨み付けると俺たちの横を擦り抜けるように教室を出ていった。
「泉。帰るぞ」
そんな橋本を全く気にしていない壱人はそう言うと、
「ちょ、待てよ」
俺の腕を強く引く。
壱人に腕を引かれた俺と壱人は、何もなかったかのように教室を後にした。
その時にちら見した結木さんが例の顔をしていたのは、見なかったことにしよう。
「…――――」
何か叫んでいる結木さんは慌てて荷物を鞄に詰めて帰宅準備をすると、ばたばたと俺たちの後を追ってきた。
「はあ、やっと追い付いた。ねえ、バス停まで送ってよ」
追い付いた結木さんは、俺と壱人との間に割り入って、腕を組んでくる。
「邪魔すんな」
最近は落ち着いてきたけど、基本的に俺様な壱人はそう言い捨てて、結木さんを軽く睨んだ。
そんなことで怯(ひる)む彼女であるはずもなく、
「いいじゃん。ついででしょ」
そう言うと俺たちの腕を強く引いたまま、くるりと踵(きびす)を返す。
バス停は学校から程近い場所にはあるけど、位置的には俺たちの通学路の反対方向だ。
結木さんと壱人が付き合っている頃は、通学路とは反対方向へ消える壱人を見掛けて切ない思いもしたっけ。
Bkm
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