幼なじみプレイ
カーテンの向こう側

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浮ついた心


結局は、夏休み初日もいつもと同じように、ほとんど泉と口を利かないままに終わってしまった。
ただ、久しぶりに学校で同じ時間を共有したんだと思うと、それだけで悪戯に心が騒ぐ。

小学生の頃の大半は、クラスメートとしても泉と一緒にいたのに、中学校に上がってから今までは一度も同じクラスになったことはない。

好きな子と同じクラスで喜ぶなんてガキじゃあるまいし。
表向きはそう嘘ぶきながら、本心では泉と同じ空間にいられることが堪らなく嬉しかった。


翌日。夏休みの二日目は、昨日の雨が嘘のように晴れ上がり、雲一つない真夏の空が広がっている。
昨夜は突然、結木が家にやって来て、一通りの恋愛ごっこをして帰っていった。

閉め切ったカーテンの向こう側に、泉を感じながらセックスする。
そんな状況に倒錯して、まるでカーテンの向こう側に彼女がいるのに浮気をしているようで、異常に興奮した。

夜勤のお袋は留守、親父は仕事中。
壁一枚隔てた向こう側に親父がいるという状態よりも、泉の存在が、性的な欲情を煽るなんてどうかしている。

そもそも、泉の身代わりに女を抱く時点で倒錯な状態には違いないが、それにしてもいろいろと終わっている。
想いと行動が見事に反比例している状況では、それもきっと仕方のないことなんだろう。

「おはよ」

夏休み二日目。補習二日目も結木が迎えに来て、一緒に登校した。

「壱人、どうかした?」
「あ。いや」

今日は登校時間をずらしたのか、泉の姿が見えない。
いつの間にか泉の姿を探している自分に苦笑った。




そのまま今日も、時間ぎりぎりに教室へ入ると、泉は橋本と笑いながら雑談していだ。
何故か、いつもよりもあからさまに顔を背けられて胸が痛んだが、素知らぬ顔で昨日と同じ席につく。

昨日、泉に貸した折り畳み傘。俺のじゃないけど。

その傘を返すために泉が話し掛けてくることを期待していたが、ついぞ、泉に話し掛けられることはなかった。

Bkm

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