腐男子プレイ
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「なに、泉ちん。どうしたの」
「うわっ!」
「え、きゃっ!」
覚えがあるっつか。
これって、結木さんが最近立ち上げたサイトのURLだ。
「な、びっくりしたあ」
「びっくりしたのはこっちよ。なによ、メール?」
「な、なんでもない」
慌ててフォルダを閉じて、携帯電話をポケットに仕舞う。
結木さんからは何やらぶつぶつ文句を言われたけど、幸い深くは追求されなかった。
「どうでもいいけど……」
確か、結木さんは女子大生だと年齢を偽って、創作活動をしているはずだ。
今までは、イベント参加が主な活動のオフ活動しかして来なかったらしいけど、最近、その一人サークルで発表した小説を集めてサイトを立ち上げた。
そのサイトは当たり前のように18禁サイトで、本来なら、俺たちは年齢制限に引っ掛かって見られないサイトだ。
水上は水上で、腐女子と偽ってサイトの管理人と仲良くなるのが趣味だし、一瞬、このことを水上に言うべきかどうだか迷った俺だった。
正直、俺も姉ちゃんが隠し持ってる同人誌をこっそり読ませてもらってて、そのなかにはいわゆる成人向けのものも多い。
そもそも、書店で売ってるものは年齢制限がないものが大半で、購入時にちょっとばかり恥ずかしい思いをすることを覗けば、俺たちでも簡単にその手の漫画や小説を買うことができる。
んで、水上の目的は、すばりエロだろう。
マックで話し込んだ時、ファンタジーなセックスについて熱弁してたから。
ちなみに、水上は女の子と後ろでした経験があるらしいけど、それと同じに考えたら生々しすぎて萌えないと、いらない情報まで教えてくれた。
それについては全くの同感で、俺と壱人もそうで、ファンタジーな世界の綺麗なエッチだからこそ萌えるんだよな。
初めて出来た腐男子の友達、水上はイケメンだけど面白いやつだった。
メアドと携番を交換してから、水上とは近くにいながらメル友みたいになって、言ってみればオンライン上での友達のような存在になっている。
「メール送信……、と」
D組の前で、こっそりメールを送信して教室をちら見する。
水上は、机の下に携帯電話を隠して、いそいそと何やらやっていた。
そんなこんなで、身近に腐男子な友達ができたわけだけど、このすぐ後に男の娘な友達もできたりする。
それは、また次の機会に。
ありがとうございました。
あとがき
2011/10/12/完結
Bkm
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