幼なじみプレイ
腐男子プレイ

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不吉な予感


結局はあのあと、バカ人に襲われて、なんやかんやいちゃこらしてから眠りについた。
朝起きたら声が掠れてるとか。
いつもより濃厚な行為は、俺が二人に会ってしまったことにも関係してるんだろう。

「ほんとおバカ……」

会わせるのを嫌がってるくせに、写メだけを見せたりするから。
まあ、昨日の状態なら、俺が壱人の新しい彼女だとは思わないだろうから、心配もいらないんだろうけど。

窓から空を見上げたら、うっすらと鱗雲が広がっていた。

天高く馬肥ゆる秋、か。
その言葉どおり、秋の空は心なしか高く感じる。

「呼んだ?」

さっきの独り言に反応したのか、少し馬面気味なイケメン、橋本がこちらを振り返った。


食欲の秋にスポーツの秋。
不本意ながら読書の秋なんかをやってるのは、今日からテスト期間に突入するからだ。

いつもは休み時間になると俺の席に来る結木さんも橋本も、一応は自分の席で、教科書という名前の書物を広げている。
斜め前の席の橋本は相変わらずの地獄耳で、どうやら俺の独り言が聞こえたらしい。

多分『馬肥ゆる』部分のキーワード『馬』が。

別に呼んでねえよと手でシッシッと追っ払う真似をしたら、橋本は意味もなく、にやにや笑いながら前に向き直った。


ひと夏を潰してしまった夏休みの悪夢が蘇る。
まあ、今年の夏休みは壱人とその……、想いが通じ合った記念すべきものだったとも言えるけど。

今回のテストは、夏休みのように大掛かりな追試や補習もないし、まだ気も楽だ。
それでも、積もり積もった中間と期末テストの成績で、冬休みも潰れてしまうのは目に見えている。

…んとに、バカ人め。
俺の気持ちを確かめるためだったとかなんとか言ってるけど、分不相応な学校を受験しやがって。

こうなると、俺の気持ちを確かめる云々(うんぬん)は後々の言い訳でしかなくて、当時の彼女を追い掛けて受験したのが本当のところのような気がしてくる。
当時の元カノは年上で、もう卒業してしまったけど。

分相応に西高にでもしとけば、俺も壱人も補習から免れたのに。
まあ、壱人を追った俺も俺か。

そんなことを考えていると、橋本と結木さんなんかは分相応で、水上と村上もそうなんだと不意に思い立った。


結局、水上と村上に顔を知られた俺は、あれから廊下だとかで二人にばったり会うたびに、二人から話し掛けられるようになった。
まだ友達という関係とは程遠いけれど、いつか二人にあの写メの秘密が、ばれるんじゃないかとひやひやしてしまう。

Bkm

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