読み切り短編集
二番目でもいいから
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経験上、こういう時に学校の授業があるととても助かるんだけれど、あいにく冬休みに入った今日は学校に出向く用事もなく、豪太とまる一日を過ごすことになる。

別に喧嘩をしてるでもないけど、この状態は少し気まず過ぎだ。
普段ならリビングで二人で過ごすんだけど、ここ最近の豪太の様子を見ていたら、どう考えてもいつものようには過ごせそうもなかった。



「…出掛ける。今日も遅くなるから飯はいい」
「えっ。ちょ、豪太?」

時間は過ぎて、正午過ぎ。
案の定、豪太はそう言うと、慌ただしく家を出て行った。

今日から冬休みだというのに、もしかして豪太とは一緒にいられないんだろうか。
出掛けると言った時の顔や様子が元気がなく、どこか疲れているように見えるのも気になった。

そんなに疲れるぐらい何をしてるんだろう。
これに浮気を当て嵌めてみれば……、そんな馬鹿げた考えは頭を振って打ち消した。



リビングのソファー据えた、重い腰をなんとか気力で持ち上げる。
いつもの休日ならどちらからともなくリビングにやってきて、特に何をするでもなく一緒に過ごすのに。

「…帰ろうかな」

年末を、クリスマスを前に実家へ。
クリスマスを間近に控えた今も豪太からその日をどう過ごすかの話もなく、さすがにこの時期にもなると、誘ってくれるのを待つのも辛くなってきた。

リビングを出て、再び自室に戻る。
ベッドに俯いて倒れ込むと、枕にぎゅっと顔を埋めた。

Bkm
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