俺様キューピッド
俺様キューピッド
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華麗に花を咲かせましょう
そんなこんなで、あれから何日かが過ぎました。
お蔭様で僕は忙しくやってます。
執行部メンバーの皆を補佐する役目の仮役員だけど、一応は生徒会執行部メンバー入りしたことで、会長の親衛隊を始めとする会長のファンの方々からの意地悪もない。
実際は見えない場所で不穏な動きはあったみたいだけど、会長が裏から手を廻したと副会長の葉先輩が教えてくれた。
たまに擦れ違いざまにこそこ陰口を叩かれたり、わざとぶつかられたりはすることもあるけど、それ以外は特に何があるわけでもない。
「ハルっち早く!」
「わわっ、ちょっと待ってよ」
相変わらず運動だけは苦手な僕だけど、それ以外はなんとか上手くやっている。
授業が終わっていつも以上に張り切っている春川くんに腕を引かれ、僕らは生徒会室へと急いだ。
最初は平凡で目立たなさ過ぎる僕が補佐役に立ったことで、いろんな憶測が飛び交ったみたいだ。
その内容は酷いものになると会長の職権乱用だとか、僕が会長の秘密を握って、無理矢理交際を迫っただとか。
結果的には僕の入試の成績が外部入学組の中では正式メンバーに次ぐ成績だったこととか、運動以外はある程度は難無くやり遂げてしまうことも知れ渡り、誤解も解けて目に見えた嫌がらせはほとんどなくなった。
どうやら有り難いことにすんなりと受け入れてくれたようで、クラスの中でも友達が増えて、
「井上、今から生徒会?」
「うん」
がんばれよって言葉を背中に聞きながら、後ろに向かって手を振った。
もう9月も半ばになるというのに、日中は相変わらず暑い日が続いている。
その暑さのせいで教室には冷房がまだ効いていて、僕は長袖のシャツと学校指定のベストを着込んでいる。
それでも空だけは夏のそれとは違い、少しだけ高いところに移った雲に秋の気配を感じた。
別に、そんなに広い学校じゃないんだけどな。
うちの学校は中高一貫教育の有名私立の学校だけど、マンモス校というほど大きくはない。
1クラスが30人という少人数制で、しかも一学年に6クラスしかないし。
校舎も一年生と二年生の半分の教室があるA棟と、二年生の半分と三年生の教室があるB棟。
それと職員室や保健室、その他にも音楽室や美術室、視聴覚室なんかがある特別棟の三つだけだ。
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