俺様キューピッド
俺様キューピッド
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ふふっ。真っ赤っ赤じゃなくて、真っ黄っ黄とか。
自分で言っといて笑ってしまった。
なんてゆーのか、花を背負っているようなキャラじゃないけど、会長には真っ赤な薔薇が似合う。
同じ薔薇でも白い薔薇が副会長で、春川くんがピンクのミニ薔薇って感じ。
あ、あれだ。
会長はレッドだ。
戦闘ものヒーローでいう。
で、龍平がブルーで、板垣くんがグリーン。いや、板垣くんはブラックで真田くんがグリーンかな。
そんで、副会長か春川くんのどちらかがピンクで、もしかしなくても多分、僕はイエローだ。
ちょっぴり太っちょでカレーが大好き(?)。
戦闘シーンなんかでも特に活躍するでもなく、それでも毎週何かしらの名台詞を残す名脇役。
さっきまで植え替える花のことを考えてたのに、いつの間にか僕は、また生徒会のことを考えていた。
それも少しだけ前向きに。
もしかして、イエローの僕だからこそできる何かがあるかも知れない。
補佐役って、多分、そういうもんだよね。
生徒会長の三鷹先輩を司令塔として、全校生徒を取り纏めているメンバーの補佐をするのが僕の役目だ。
龍平を始め、生徒会メンバーにちやほやされてる春川くんを見ててもイマイチ実感は沸かなかったけど、改めて考えてみればそういうことだ。
「…そっか。イエローになればいいんだ」
縁の下の力持ち。
生徒会という何かと目立つ立場の中で、唯一メンバーを支える役割を持つ。
生徒会の中で考えてみれば、唯一これといった決まった仕事のない役職でもある。
つまりはそれってなんでもしなきゃいけないんじゃなくて、なんでもできる役職ってことだ。
咲かない花は抜いてしまった。さら地となった肥えた土は、次なる苗を待っている。
補佐役である僕だけにしかできないことを生徒会の仕事の中で、見つければいいんだ。
僕が龍平にしてあげられることは何もなくなってしまった。
だったら、僕を必要としてくれる場所で、僕ができること、僕だけにしかできないことを見つければいい。
生徒会って場所が本当に僕を必要としてくれているのか不安にもなるけど、会長のことにしても同じこと。
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