俺様キューピッド
俺様キューピッド
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友達100人できるかな
やっぱりこうやって土をいじっていると安心する。
あれから、始業式が終わってから、僕の身辺は目に見えて変わった。
僕は自分を平凡で目立たない人間だと思っていたけど、どうやら眼鏡を掛けてるのが目立つみたいだ。
始業式が終わって教室に戻っていたらあちこちから、
「どれ?」
「あの眼鏡を掛けた……」
そんな会話が聞こえてきた。
うちの学校には眼鏡は変装のアイテムだという定説もあるから、わざわざ真正面から顔を覗き込まれて、
「なんだ。普通じゃん」
そんなことを言われたり。
明らかに敵意を持った声はなかったけど、『なんだ』って落胆した声を何回耳にしたことか。
おまけに『眼鏡っ子』だとか、ひどいものだと『デブ』だとまで言われてしまった。
「…デブじゃないもん」
ただ、ちょっとだけぽっちゃりしてるだけで。
……たぶん。
ここに来て、不意に自分がどんな立場なのかを思い知らされてしまった。
生徒会のメンバーは会長を筆頭に、全員が全員、見目麗しい容姿をしている。
会長は真面目で俺様な性格に似合わないどこかのファッション雑誌から抜け出したような見た目をしていて、少し明るい色を入れた髪はお洒落にセットされていてモデルのようにかっこいい。
副会長の水月葉(よう)先輩はまるで王子様のような柔らかい物腰の人で、先輩は春川くんのようにとても綺麗な顔をしているんだけど、先輩の場合は美少女というよりは美人って言葉の方がしっくりくる。
春川くんと同じように外国人の血が少し(4分の1だったかな)だけ混じっているようで、とにかくお洒落で綺麗な人だ。
書記の龍平は全くどこにも手を加えていないのにも関わらず、精悍で爽やか、スポーツマンらしい飾らない男のかっこよさがある。
武道にも通ずる龍平は一直線な潔さがあって、一年生の中では一番、特にバンビとかチワワと呼ばれてるグループの中で人気が高い。
会計の真田葵くんは僕らと同じ一般入学組で、自分のことを平凡だと思い込んでいるようだけど、どちらかと言えばチワワやバンビに近い小動物系の可愛さがある。
くるくる変わる表情や素直な性格もみんなから愛されていて、決して驕ることなく控えめなところがそうさせるんだろう。
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