俺様キューピッド
俺様キューピッド

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昨日までの僕とは明らかに違うのがわかるから、ちょっとだけ自己嫌悪。
龍平と恋人同士になれるとは思ってなかったけど、龍平に恋人ができるとも思ってはいなかった。

この学生寮というには豪華すぎる部屋の家具家電は全て備え付けで、学校に多額の寄付をしているエスカレーター組の一部は生徒会に関係のない一般生徒ながら、特別な一人部屋を宛がわれているらしい。
特別室は棟からして違っていて、僕は龍平の部屋にしか遊びに行ったことがないけど、生徒会の執行部メンバーである龍平も特別室の一人部屋で、びっくりするくらいにセレブな部屋だった。

無駄に広い部屋を持て余している龍平と二人で笑い合って、その部屋に泊まったこともあるけど、今日からはそれももうできないな。

話を戻すと、一般的な学生寮のように大浴場や食堂、その他の共同スペースを使わなくてもそれぞれの部屋の中で十分生活できるようになっている。
洗濯機もそれぞれの部屋に一台、ユニットバスももちろん、ダイニングキッチンも使おうと思えば僕のように自炊もできるようになっている。

僕の場合は一般的な庶民だから、学食や、増してやレストランは利用したことがない。
授業料や学校の諸費用は全額免除の奨学金を受けていて、生活費は卒業して働き始めてから返済する形式の奨学金と仕送りで賄(まかな)っている。

ちなみに、全額免除の奨学金を受けるためには試験に合格する必要があって、龍平は余裕だったみたいだけど僕はぎりぎりでもらえることになったいきさつがある。

そんないろんな事情があり、僕が自炊しているのは、食費を抑えるためでもあるんだよね。
食材はデリバリーサービスで一般的な八百屋やスーパーマーケットから届けてもらえて、それは一流ホテルでいうルームサービスのようなもので、その宅配料は無料というのがとても嬉しい。

春川くんは高等部に上がるまではレストランを利用してたみたいだけど、今は僕が半分食費をもらって二人分の食事を用意している。
ちなみに学食があるのは一般入学の外部生も受け入れる高等部だけで、僕らみたいな外部入学組がその学食を利用していて、エスカレーター組のみんなはレストランの方を利用してるみたい。

レストランは和・洋・中の各種料理が楽しめる少し高級なファミレスのようなもので、一方の学食は一般的な食堂と同じ値段設定がされていて、僕たち庶民の味方ってわけだ。

Bkmする
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