俺様キューピッド
ぽっちゃりキューピッド
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ふと、岳先輩が僕のことを思って、僕と龍平とのキューピッドをしてくれていたことを思い出す。
「……」
いやいや、そんなこと有り得ない…よね?
ぱっと僕の頭に浮かんだのは、龍平が僕との関係を改めて考えてくれて…そんな、岳先輩が僕のことを考えてやってくれた結果が今になって出ちゃったということ。
つまり、春川くんと付き合っているのに、僕と岳先輩が付き合ってるのを見て龍平が嫉妬しちゃって…な、岳先輩がキューピッドをしてくれてた時に望んでいた展開。
有り得ない。
有り得ないけど……。
もしそうだとしたら。
僕は先輩のお陰でこんなにも幸せなのに、二人の関係に波風を立てちゃいけない。
だけど……。
もしそうならどうしたらいいんだろ。
今、僕が何かしたら、それこそこじれてしまいそうな気がする。
だけど、もしそうならほっては置けない。
もしも、春川くんのお母さんの病気は言い訳に過ぎないとしたら。
春川くんが、お母さんの病気を言い訳にして、龍平から距離を取ろうとしてるなら。
『ハルっち。よかったね!』
岳先輩と偽者の恋人同士になった時、春川くんは自分のことのように手放しで喜んでくれた。
春川くんは自分のことが最優先だと思っていたから、あの時は少し驚いた。
あの時はまだ龍平のことが好きだったから、僕は騙してるようで心苦しくて、本当は嬉しいことじゃなかったから複雑な気持ちだったけど。
だめだ。
やっぱり、龍平と何かあるなら、僕はどうにかしてあげたい。
もしも僕が関係してるなら、その誤解も解かなくちゃ。
合同会議の間中、僕はそんなことを考えていた。
経験者でもある先輩に相談してみようかな?
二人のキューピッドをやりたいって。
その夜はそんなことばかりを考えて、なかなか眠れなかった。
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